2012 Fiscal Year Research-status Report
モデル植物ミヤコグサにおける生殖様式の進化生物学的研究
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23570107
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
上原 浩一 千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (20221799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 昌史 千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (50228368)
伊藤 元己 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (00193524)
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Keywords | ミヤコグサ / 進化 / マイクロサテライト |
Research Abstract |
日本国内に自生する野生植物の中で、ミヤコグサは唯一ゲノム解析が行われたモデル植物であり、多くの遺伝情報が公開されている。これら公開されたゲノム情報を利用し、ミヤコグサの研究を進めることは、野生植物の生態と進化について、これまでにない高精度な解析を可能にする。研究代表者はこれまでに野生ミヤコグサ集団について、マイクロサテライトマーカーを用いた予備的調査を行った結果、主に自殖を行う集団と自殖率が低く、他殖を行集団が存在することがわかってきた。そこで、国内各地のミヤコグサ集団における生殖様式の分布を明らかにするとともに、生態学的調査、進化ゲノム学的解析を行いミヤコグサ野生集団の生殖様式の進化プロセスを明らかにする。 研究代表者は、ミヤコグサの種内変異・生物地理を明らかにすることを目的に、かずさDNA研究所ミヤコグサホームページで公開されているマイクロサテライトマーカーを用い、ミヤコグサ野生集団の解析を進めている。24年度は和歌山県、高知県などのほか沖縄本島、朝鮮半島との関連から必要だった対馬で調査・サンプリングを行い国内野生集団のフラグメント解析結果をほぼ完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地域により野生集団の生殖様式の異なる原因についてポリネーションバイオロジーの観点で調査を行う予定であったがまだ準備段階にとどまっている。一方、国内野生集団の遺伝解析が進み、おもに日本の南部では遺伝的に2型に別れることが明らかになってきた。これは非常にクリアーでいい結果と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
主に南西諸島で,島ごとに遺伝的に分化している状況をポリネーターとのの関連を含め明らかにしたい。南西諸島以南、台湾、アジア地域の調査を行いたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度末に試薬購入の予定が後ろにずれ繰り越し分が生じた。すでに実験を進めているので、今後、滞り無く予定の試薬を購入し、解析を進める。次年度研究費は調査旅費、遺伝解析の試薬費などの物品費、研究補助者の謝金として使用したい。
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