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2011 Fiscal Year Research-status Report

爆発的種分化した隠蔽種:幼形進化的シラスウオ科魚類の多様化プロセスの解明

Research Project

Project/Area Number 23570109
Research InstitutionToho University

Principal Investigator

昆 健志  東邦大学, 理学部, 博士研究員 (10401192)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords幼形進化 / 魚類 / 隠蔽種 / 多様性 / 種分化 / 分子系統 / Supermatrix法
Research Abstract

本課題は極端な幼形進化を示すシラスウオ類の多様化プロセスを明らかにするために,(1) インド-太平洋産標本を収集して分布域全域をカバー,(2) Supermatrix解析による隠蔽種の探索と次世代シーケンサーを利用したミトゲノムによる系統樹構築,(3) 核ゲノムを併用した 交雑の検出,(4) 分岐年代推定および分岐パターン解析と進める. 上述の計画のうち,平成23年度は (1) と (2) をメインに進める予定であったが,そのうちの (1) では,マーシャル諸島,グアム,タイ王国プーケットでの採集を試み,前2箇所での採集に成功した.それらを (2) である分子系統解析したところ,各地点での複数種の存在が確認でき,その中には新たな隠蔽種が含まれていることが明らかになった.この結果,シラスウオ類の種多様性を明らかにするためには,さらなるサンプリングの必要性が示唆された.さらに,地域固有性が高いと思われていたシラスウオ類に,日本からタヒチまで分布する広域分布種の存在も明らかになった.約1か月と短い一生をサンゴ礁池内で過ごすと考えられていたシラスウオ類の分散過程について,生態や遺伝的集団構造の視点からの再検討の必要性が示唆された. 次に (2) のうちの次世代シーケンサーを利用した研究では,本課題申請後から新しい手法が次々と発表され,それら最新の技術を導入するために研究協力者らと検討・予備実験を進めており,この結果は平成24年度の実施に反映される予定である.また,シラスウオ類を含めたハゼ亜目の分子系統解析は,サンガー法を用いた方法でも並行して進め,その成果は平成23年10月の日本魚類学会年会で口頭発表した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成23年度の計画の主要部分のうち,(1)インド-太平洋産標本を収集して分布域全域をカバーするということに関しては,海況や現地協力者との相談により若干の計画変更があったが,太平洋のマーシャルとグアム,そしてインド洋のプーケットで採集を実施することが出来きた.これに続いて平成24年度以降も標本収集を進めれば,計画の進行ペースとしては問題がないと言える. (2)Supermatrix解析による隠蔽種の探索と次世代シーケンサーを利用したミトゲノムによる系統樹構築に関しては,ミトコンドリアや核遺伝子の部分塩基配列の決定は随時進めており,この点では問題がない.ただし,次世代シークエンサーを用いた塩基配列の決定は,より安価で迅速な方法が次々と開発されつつあることから,限られた研究費の中での確実性の高い(無駄のない)実験計画を再検討をしていたため,実験の実施には至っていない.しかしながら,平成24年度に新たの方法を適用した確実性の高い実験の実施が決まっており,実際に実験を実施すると短期間で結果を出すことが可能であることから,この点でも大きな問題がないと言える. 以上のことから,研究計画を変更する必要があったが,研究全体はより確実に成果を出せる計画として進めることが出来ているので,概ね順調に進展していると本研究課題は評価される.

Strategy for Future Research Activity

本課題はシラスウオ類の多様化プロセスを明らかにするために,(1)インドー太平洋産標本を収集して分布域全域をカバー,(2)Supermatrix解析による隠蔽種の探索と次世代シーケンサーを利用したミトゲノムによる系統樹構築,(3)核ゲノムを併用した交雑の検出,(4)分岐年代推定および分岐パターン解析と進める.  平成24年度は,上述した計画の(1)~(3)を引き続き進めるとともに,特に(2)について優先的に実行する予定である.採集は太平洋のニューカレドニアやインド洋のモーリシャス・モルジブなどを候補地とする.(2)と(3)に関わるミトゲノムおよび核ゲノムの部分塩基配列決定は随時行い,外群を含めてミトゲノム全塩基配列を決定し,データセットを充実させる. 平成25年度は,前年度までの調査と予備解析の結果を踏まえて追加採集と実験の検討し,必要が生じた場合には速やかに実施する.本年度は研究期間の最終年度にあたり,揃えたデータセットを基にした頑健な系統樹構築,それを基にした分岐年代推定および分岐パターン解析を行う.さらにDNAデータバンクの大量登録データを活用・統合したハゼ亜目全体での解析(Supermatrix解析)を実施し,成果の公表を目指す.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成24年度は,(1)インドー太平洋産標本の収集(3箇所を予定),(2)次世代シーケンサーを使ったミトゲノム全長塩基配列の決定および(3)ミトコンドリアおよび核DNAマーカーを用いた実験に研究費を使用する. 当初の平成23年度の計画では,DNA解析もメインにした計画であったが,その23年度中に最新の技術を取り入れるために計画の再検討をした結果,元の計画よりバージョンアップした方法でのDNA解析をする必要が生じた.従って24年度に23年度の実験予定分を実施することとし,その実験関連の費用も24年度に繰り越して使用することにした,採集は,太平洋のニューカレドニアやインド洋のモーリシャス・モルジブなどを候補地として旅費を計上している. 平成25年度前半も引き続き新しい方法で解析するように変更し,その分の解析と追加採集のための予算を25年度にまわした.前年度の平成24年度の成果を検討した上での追加採集と実験に関する費用と,大量の塩基配列データによる系統解析を円滑に進めるための高性能なパソコンの購入費用に対しても研究費を使用する計画である.

  • Research Products

    (2 results)

All 2011 Other

All Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] ミトコンドリアゲノム全長配列によるハゼ亜目魚類の分子系統解析: 幼形進化的シラスウオ属魚類の起源を中心に2011

    • Author(s)
      昆 健志
    • Organizer
      日本魚類学会
    • Place of Presentation
      弘前大学文京町キャンパス(青森県)
    • Year and Date
      2011年10月1日
  • [Remarks]

    • URL

      http://www.lab.toho-u.ac.jp/sci/bio/tax/staff/kon.html

URL: 

Published: 2013-07-10  

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