2013 Fiscal Year Annual Research Report
コンドロイチン硫酸の高硫酸化活性ドメインの酵素合成とその生体内機能の解明
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23570176
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
杉浦 信夫 愛知医科大学, 分子医科学研究所, 准教授 (90454420)
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Keywords | グリコサミノグリカン / コンドロイチン硫酸 / 酵素合成 / 硫酸基転移酵素 / ELISA / 表面プラズモン測定法 / バキュロウイルス / カイコ |
Research Abstract |
1.酵素合成高硫酸化コンドロイチン硫酸(CS)ライブラリーの構築 大腸菌由来コンドロイチン糖鎖伸長酵素(K4CP)を用いて調製した多様な糖鎖長(平均分子量4千から30万)をもつコンドロイチン多糖体に,安定発現動物細胞株で発現させた硫酸基転移酵素群(C4ST-1, C6ST-1, GalNAc4S-6ST, UA2ST)を組み合わせて反応させて、多様な構造をもつ高硫酸化CSライブラリーを構築した。 2.酵素合成CSオリゴ糖ライブラリーの構築とそれらの配列構造の決定 糖鎖長8から16糖のコンドロイチンオリゴ糖をK4CP変異酵素固定化バイオリアクターによる逐次合成法で調製し,各種硫酸基転移酵素を用いて硫酸化修飾を段階的に施し,多様な硫酸化構造をもつ高硫酸化CSオリゴ糖鎖ライブラリーを構築した。それら硫酸化オリゴ糖を蛍光HPLCや質量分析機による解析で配列決定方法を確立した。 3.生理活性分子との親和性解析 得られた人工糖鎖群の還元末端をビオチンで修飾し, ELISA用マイクロプレートや表面プラズモン測定用チップに固定化した。それらCS糖鎖固定化担体を用いて,神経性サイトカインや抗CS単抗体、およびCS結合性病原体由来分子とのCS結合特性をELISAや表面プラズモン測定法により解析した。 4.昆虫ウイルス由来コンドロイチン分解酵素と昆虫CSの解析 カイコ幼虫に感染するバキュロウイルスBmNPVが産生するODV-E66もAcMNPV由来タンパク質と同様に高いコンドロイチン分解活性を持っていた。生化学的および免疫組織学的に宿主カイコ幼虫の組織中にある酵素基質CSの分子組成と組織分布を解析した。とくに幼虫の中腸内腔にある囲食膜にCSが高密度に存在していた。そして、バキュロウイルスODV-E66のコンドロイチン分解活性はウイルスの初期感染を促進していることが示唆された。
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Research Products
(13 results)