2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23570190
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
有坂 文雄 東京工業大学, 生命理工学研究科, 教授 (80133768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金丸 周司 東京工業大学, 生命理工学研究科, 助教 (50376951)
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Keywords | バクテリオファージ / 分子集合 / 蛋白質間相互作用 / 尾繊維 / 溶菌 / テイルリゾチーム / 分子内シャペロン / 溶菌阻止 |
Research Abstract |
最終年度は以下の3つの課題に成果を上げることが出来た。1.尾管イニシエーター蛋白質gp48とgp54の結晶化を目指し、N末端にSlyD蛋白質を付加した融合蛋白質を発現し、可溶性画分に発現蛋白質が得られた。このうちgp48については超遠心分析により6量体-12量体間に速い平衡が見いだされた。この精製産物をPEG3350存在下で結晶化することができた。2.T2類縁ファージであるPPO1の尾繊維はT4ファージと異なり、gp38が構造蛋白質としてgp37のC末端に結合してレセプターを認識する。T2ファージのgp37のC末端領域は分子シャペロンの機能を持ち、gp37が折りたたまれた後にそのドメインのもつプロテアーゼ活性によって切り離されることがUlf Henningらによって1986年に報告されているが、PPO1ファージにおいても切断が起こることが示された。Gp37とgp38を共発現させた結果、両者は3:1の化学量論で結合して安定なヘテロ四量体を形成することが分かり、更にこの複合体を精製して結晶化することに成功した。3.病原性大腸菌O157のタイプVI分泌系蛋白質の成分で先端に存在するVgrG蛋白質はT4ファージのgp27とgp5が融合した複合体に類似の構造を有し、ターゲット細胞に穴を開ける機能を持つ。この蛋白質のC末端ドメインの構造決定成功した。このドメインはT4gp5のC末端ドメインと同様、8残基の繰り返し配列があり、この部分が3本鎖βヘリックスを形成するか、逆平行βシートを形成するかについて、既知の構造と配列を比較することによって、アミノ酸配列からいずれの構造を取るかを推定する規則を提案した。 3年間の研究を通して、2つの蛋白質の結晶構造を決定し、さらに2つの蛋白質の結晶化を行うことができ、バクテリオファージの分子集合、および感染初期過程の解明を進めることが出来た。
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Research Products
(11 results)