2012 Fiscal Year Research-status Report
Wntシグナルを介したフロアープレートによる脊椎分節機構の解析
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23570251
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
猪早 敬二 東京工業大学, 生命理工学研究科, 助教 (70302958)
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Keywords | 発生・分化 / メダカ / 骨形成 / 脊椎発生 / 分節性 |
Research Abstract |
fu-2は脊椎骨が融合し、脊椎の分節性が失われる自然発生突然変異体である。fu-2の原因遺伝子を同定するためにポジショナルクローニングを行ったところ、fu-2の原因遺伝子は染色体23番に位置していることが判明した。さらに詳細なゲノムマッピングを行った結 果、原因遺伝子があると予想される領域は染色体23番の末端であり、メダカゲノムデータベース上に存在しない未知の領域であることが分かった。また、この未知の領域にマップされる複数のDNAマーカーを用いてBACクローンライブラリーのスクリーニングを行ったと ころ、2種類のBACクローンを単離することに成功した。しかしながら、染色体23番の末端部とこれらのBACクローンは結合しておらず、染色体23番の末端構造の解明には至っていない。 そこで当該年度では、まず上記2種類のBACクローンの全塩基配列の決定を行った。次に、得られた塩基配列の情報を基に、メダカensembleデータベースを再検索したところ、染色体23番未結合末端部の物理地図の更新を行うことができた。更新された物理地図によると、未結合領域は1Mbp以上にのぼることが明らかとなった。さらに、これらの未結合ゲノム断片に含まれる遺伝子を調べたところ、Wntシグナル経路に関与する遺伝子が2種類存在することが分かった。これらの遺伝子はfu-2原因遺伝子の最有力候補であり、変異箇所の有無を調べる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
染色体23番の末端構造の解明には至っていないが、本年度の成果により、2つの候補遺伝子を見つけることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
fu-2原因遺伝子候補の塩基配列を決定し、変異箇所の有無を調べる予定である。 また未結合領域のBACクローンを再スクリーニングし、得られたBACクローンクローンを用いて、トランスジェニックレスキュー実験を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度中に、変異体原因遺伝子の特定には至らなかったため、高価な実験試薬であるモルフォリノアンチセンスオリゴなどを作製する必要が生じなかった。このような状況により当該研究費が生じることとなった。 次年度においては、原因遺伝子を同定するために、高価なモルフォリノアンチセンスオリゴを複数作製し、表現型コピーが可能かどうかを検討する予定である。
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