2014 Fiscal Year Annual Research Report
Wntシグナルを介したフロアープレートによる脊椎分節機構の解析
Project/Area Number |
23570251
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
猪早 敬二 東京工業大学, 生命理工学研究科, 助教 (70302958)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 発生・分化 / メダカ / 骨形成 / 脊椎発生 / 分節性 / Wnt |
Outline of Annual Research Achievements |
fu-2は脊椎骨が融合し、脊椎の分節性が失われる自然発生突然変異体である。fu-2の原因遺伝子を同定するためにポジショナルクローニングを行ったところ、fu-2の原因遺伝子は染色体の23番に位置していることが判明した。さらに詳細なゲノムマッピングを行った結果、原因遺伝子があると予想される領域は染色体23番の末端であり、メダカゲノムデータベース上に存在しない未知の領域であることが分かった。また、この未知の領域にマップされる複数のDNAマーカーを用いてBACクローンライブラリーのスクリーニングを行ったところ、2種類のBACクローンを単離することができた。次に、これら2種類のBACクローンの全塩基配列の決定を行い、得られた塩基配列の情報を基に、メダカensembleデータベースを再検索したところ、染色体23番末端結合部の物理地図の更新を行うことができた。更新された物理地図によると未知結合領域は1Mbp以上にのぼることが明らかとなった。さらに、これらの未結合ゲノム断片に含まれる遺伝子を調べたところ、Wntシグナル経路に関与する遺伝子が2種類存在することが分かったが、これらの遺伝子の予想翻訳領域において変異箇所は見られなかった。そこで当該年度では、上記の2種類のBACクローンを用いたトランスジェニクレスキュー個体を作製することを試みた。fu-2変異体にインジェクションするBACクローンには、クリスタリンプロモーター制御下でEGFPが眼で発現するレポーター遺伝子を組み込むことで、トランスジェニック個体の判定を容易にする工夫をした。しかしながら現在のところ、トランスジェニックレスキュー系統の開発には至ってはいない。また、TALENやCRISPRによるゲノム編集技術を用いて、上記の2種類の原因候補遺伝子の変異体を現在作製しているところである。
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