2013 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子制御ネットワークによる大脳皮質形成の分子機構の解明
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23570264
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
丸山 千秋 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳発達・神経再生研究分野, 主席研究員 (00281626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡戸 晴生 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳発達・神経再生研究分野, 副参事研究員 (60221842)
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Keywords | 大脳皮質 / 転写抑制因子 / 脳発生 / 神経細胞移動 / サブプレート / イメージング |
Research Abstract |
RP58は発生期の大脳皮質で強く発現している転写抑制因子で脳形成に必須の役割をしている。この因子の脳形成における機能解析を通して、脳形成時の転写制御ネットワークを解析する目的で研究を行った。これまでに、神経細胞移動においてRP58が多極性細胞から双極性細胞への変換、および皮質板内の放射状移動において機能していることを見い出し、RP58がNgn2、およびその下流遺伝子であるRnd2の発現を制限することが重要であることを明らかにしてきた。今年度はさらに他の下流遺伝子を検索する目的で、RP58-floxマウス胎児脳(E14)にCre発現プラスミドを導入し、E17で脳を回収、細胞を分散後FACSでGFP陽性細胞を集めてRNAを単離した。そのRNAを用いてCreを発現しなかったcontrol細胞のRNAとの発現プロファイリングを行った。そしてどのような遺伝子群が変化しているかをパスウェイ解析を行った結果TGFβ-シグナルが亢進していることがわかった。また、細胞外基質とその分解酵素などの発現も変化していることから、RP58は神経細胞移動の際、TGF-βおよび、細胞外基質の制御を担っていることが示唆された。現在、実際にどのような遺伝子の転写を制御しているかについて解析を進めている。また、RP58KO細胞がサブプレート層の直下で移動が止まることからサブプレート層にあるECM、およびサブプレートニューロンと移動細胞の相互作用についても解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RP58KOの細胞移動障害時に、細胞レベルでどのような発現の違いがあるかについてFACSソート細胞を集めることによって移動細胞のみでの発現プロファイリング比較をすることができた。このデータをもとに解析を進めればRP58転写因子のターゲットのみならず、より一般的に多極性ー双極性変換時に機能している分子群を同定できる可能性が得られ、今後の研究の発展性につながったと考えるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はTGFβシグナルと神経細胞移動制御についての解析、サブプレート層の役割についても解析を進めて行く。手法としてはスライス培養を用いたタイムラプスイメージングも駆使して、実際の大脳皮質組織中での新生ニューロンの動きを観察し、その際サブプレートニューロンと移動ニューロンを時期を変えて2度のエレクトロポレーションでラベルすることで両者の相互作用を観察する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
さらに研究を進めるためには専門分野の研究者、共同研究者と議論することがが重要である。3年に一度開催される大脳皮質形成の国際シンポジウムに参加するために旅費が必要であるため。 2014年5月に開催される国際学会「Cortical Development 2014」(ギリシャ、クレタ島)に参加するための旅費
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[Journal Article] RP58 Regulates the Multipolar-Bipolar Transition of Newborn Neurons in the Developing Cerebral Cortex2013
Author(s)
Ohtaka-Maruyama C, Hirai S, Miwa A, Heng J l, Shitara H, Ishii R, Taya C, Kawano H, Kasai M, Nakajima K, Okado H
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Journal Title
Cell Reports
Volume: 3
Pages: 458-471
DOI
Peer Reviewed
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