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2011 Fiscal Year Research-status Report

乳管細胞の新規な抗病原体・抗害虫タンパク質遺伝子の網羅的単離と機能解析

Research Project

Project/Area Number 23580091
Research InstitutionKyoto Institute of Technology

Principal Investigator

北島 佐紀人  京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (70283653)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 山口 政光  京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (00182460)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords乳液 / クワ
Research Abstract

本研究の目的は、植物の乳管細胞が、植物種・器官ごとに多様な抗病原体・殺虫タンパク質を高生産しているとのアイディアに基づき、乳管細胞が高生産する新規な抗病原体・殺虫タンパク質を、次世代DNAシーケンス技術を駆使して網羅的に探索し、それらの機能を生化学的・昆虫遺伝学的・植物生理学的に解明することである。最終的には、Btトキシン組込みGM作物の抵抗性害虫出現に備えて、これに替わる抗病原体・抗害虫遺伝子として国際社会に提供する。当該年度には、すでに見出したクワ乳液で高発現するmRNA群の機能を明らかにすべく、全長cDNAをクローニングし、さらに大腸菌・酵母での発現システムを構築した。得られた幾つかのcDNAについては、いずれかの微生物でのヘテロは発現を抗体で確認することができた。発現の認められなかったcDNAについては、有害な機能を持つことが推定されるので引き続きヘテロな発現を試みる。"P0005"と名付けたcDNAは、以前から他の植物にも類似のcDNAが見出されているものの生理・生化学的機能は不明である。乳液でこの遺伝子ファミリーが高発現することは、我々により初めて明らかになったので、この遺伝子ファミリーの機能に関して独自の研究展開が期待できる。クワだけでなく、他の植物の乳液のmRNA解析を予定していたが、秋~冬に野外からこれらの乳液を十分に採取することができなかったため、24年度に持越すこととなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

クワに引き続き、その他の2種の植物の乳液のmRNA解析を計画していたが、材料が屋外の植物のため、秋~冬に十分な良質の乳液試料を採取することができなかった。当該の解析は次年度に実施する予定である。クワの乳液タンパク質の機能解析については、概ね目標を達成した。

Strategy for Future Research Activity

○mRNA-seq解析で得られる塩基配列に基づき、候補遺伝子のcDNAをRT-PCRで単離して大腸菌・酵母で生産させる。これら組換えタンパク質をモデル生物に投与してその殺傷機能を検討する。使用するモデル生物は、入手と培養の容易さ並びに世代時間の短さに優れる、大腸菌(細菌)、トリコデルマ(カビ)、ショウジョウバエ(昆虫)とする。必要に応じて他のモデル生物も検討する。○クワに加えて乳液のmRNA-seq解析を実施する植物種を当初計画からガジュマル、ミドリサンゴに変更する。これらの乳液のmRNA-seqを実施し、新たな防御タンパク質候補を探索する。○ショウジョウバエ変異体に投与してその作用部位を遺伝学的に特定する。申請者らは、表1の候補遺伝子に多く見られる新規レクチンドメイン含有タンパク質に注目している。糖鎖は、昆虫の形態形成および自然免疫のシグナルとして働く。レクチンドメイン含有タンパク質が、腸から血中に侵入し、昆虫のこれらのシステムを撹乱する可能性を検討する。標的あるいは作用機構が予想できない新規殺虫タンパク質については、過剰発現系統(約3,000系統)あるいは突然変異系統(約20,000系統)のライブラリーをスクリーニングしての標的遺伝子の探索を行う(山口との共同研究)。ショウジョウバエは世代時間が10日間と短く、多数の個体を同時に取り扱うことができるので、本研究期間中に網羅的スクリーニングの完了は十分実現可能である。各種ショウジョウバエ変異体、過剰発現系統ライブラリー、突然変異系統ライブラリーは、京都工芸繊維大学ショウジョウバエ遺伝資源センターより入手する。○モデル生物に対する効果の見られた遺伝子を主体に、トウモロコシ、ダイズ等有用作物の各種病害虫に対する効果を検討する。別件で共同研究中の、ある米国企業との共同研究を見込む。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

23年度に予定していたmRNA-seq解析を24年度に持ち越したので、23年度から繰り越した94万円をこれに充当する。その他には、予定通り生化学・分子生物学試薬、クロマトグラフィー試薬、培養試薬、プラスチック器具の消耗品に90万円、国内学会参加に10万円、論文投稿に15万円、前年度からの繰越額とあわせて184万円を出費する計画である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Comparative study of gene expression and major proteins' function of laticifers in lignified and unlignified organs of mulberry.2012

    • Author(s)
      Kitajima S, Taira T, Oda K, Yamato KT, Inukai Y, Hori Y.
    • Journal Title

      Planta

      Volume: 235 Pages: 589-601

    • DOI

      10.1007/s00425-011-1533-6

    • Peer Reviewed
  • [Remarks]

    • URL

      http://ameblo.jp/shokubutsu-bunshi-kit/entry-11186578754.html

URL: 

Published: 2013-07-10  

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