2013 Fiscal Year Annual Research Report
乳管細胞の新規な抗病原体・抗害虫タンパク質遺伝子の網羅的単離と機能解析
Project/Area Number |
23580091
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
北島 佐紀人 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (70283653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 政光 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (00182460)
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Keywords | クワ / 乳液 / 乳管細胞 / プロテオーム / mRNA-seq / 殺虫 / 抗菌 |
Research Abstract |
本研究においては、植物の乳管細胞が、植物種・器官ごとに多様な抗病原体・殺虫タンパク質を高生産しているとのアイディアに基づき、乳管細胞が高生産する新規な抗病原体・殺虫タンパク質を、次世代DNAシーケンス技術を駆使して網羅的に探索し、それらの機能を生化学的・昆虫遺伝学的・植物生理学的に解明する。最終的には、Btトキシン組込みGM作物の抵抗性害虫出現に備えて、これに替わる抗病原体・抗害虫遺伝子として国際社会に提供することを目的とした。平成23年度には、前年度までにクワ乳液のmRNAより見出しだした高発現遺伝子の機能を明らかにすべく、それらの全長ORFをRT-PCRによりクローニングし、大腸菌および酵母での発現系を構築した。多くは大腸菌内で不溶化したが酵母の発現系を用いることにより生産量は低いが可溶性組換えタンパクの生産に成功した。平成24年度には、それら組換えタンパクを用いて、抗菌性、殺虫性、非生物ストレス耐性機能の検定をした。これらの検定の過程で、乳液におけるmRNAレベルの蓄積量とタンパクの蓄積量が必ずしも対応しないことを見出したため、クワ乳液のプロテオーム解析を実施した。殺虫性あるいは抗菌性タンパクが乳液中に多いとの特性は、mRNAレベルよりもタンパクレベルで特に顕著であった。また乳液の採取部位によりそれらの量比は多く異なっており、部位ごとに想定される外敵にうまく適応していることが分かった。他の2種の植物の乳液のmRNA-seq解析も実施し、EST配列データベースを構築した。平成25年度には、これら2種の植物の乳液に高蓄積するmRNAをクローニングし、合わせてプロテオーム解析も実施し、mRNAとタンパクの両面から発現解析を行った。機能未知で、かつドメイン構造により殺虫性あるいは抗菌性が期待される新規なタンパク質を複数種見出した。次年度以降、これらの機能解析を進める。
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Research Products
(1 results)