2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23580105
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野田 陽一 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (90282699)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 出芽酵母 / 脂質 / 膜蛋白質 / ゴルジ体 / ER |
Research Abstract |
N糖鎖付加に関与するマンノース転移酵素であるMnn1とMnn2は,共にII型のトポロジーを持ちゴルジ体に局在する膜貫通型の蛋白質であるが,我々の開発したゴルジ体のearlyとlateの単離法を用いることにより,Mnn1とMnn2で局在の分布が異なることを見いだした.また一方で,これら二つの酵素である界面活性剤による可溶化処理に対する感受性に違いがあることを見いだした.この感受性の差異と細胞内局在に関連があるかどうかを調べるために,いわゆる脂質ラフトに多く存在する脂質であるスフィンゴ脂質とエルゴステロールの合成変異株を用いて,界面活性剤に対する感受性に影響があるかどうか調べた.スフィンゴ脂質合成に関与する遺伝子の温度感受性変異株,エルゴステロールの合成に関わる遺伝子破壊株の,HAエピトープタグを付加したこれらの酵素の界面活性剤に対する感受性を調べたが,現在までに試みた条件下では変化は認められなかった.これらの株でのSNARE蛋白質の局在の変化も調べる予定である.またMnn1に関しては,Mnn2とは異なり,過去の研究でそのERからの搬出を担うアダプター蛋白質を見いだすことが出来なかった.そこで候補遺伝子の複数破壊株を作製して,局在を間接蛍光抗体法により調べたところ,ある破壊の組み合わせにより,Mnn1のゴルジ体局在が影響を受けることを見いだした.複数回膜貫通型の蛋白質に関しても,ゴルジ体局在GDP-マンノースのトランスポーターであるVig4に関してその局在に関与する可能性のある蛋白質を,候補遺伝子の破壊株を用いて検索したが,現在までのところ関与すると考えられる蛋白質を見いだすことには成功していない.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当研究室で今まで蓄積して来た技術,実験手法,試薬を計画通りに適用することが出来たこと,また東京理科大学からの外研生二人が非常に優秀であったため.
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Strategy for Future Research Activity |
ゴルジ体の槽成熟における脂質の役割など競争の厳しい部分について注力し,SNARE等の重要な蛋白質の局在への影響についても解析を進め,初年度に得られた結果をさらに著しく発展させることを目指す.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ほぼ交付申請に沿った使用を計画している.ただ6月にクロアチアで開かれる学会に参加することになったため,旅費が予定を上回る可能性がある.
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