2013 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウム依存性レクチンの糖鎖認識機構及び細胞膜内イオンチャネル形成機構の解明
Project/Area Number |
23580137
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
畠山 智充 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50228467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海野 英昭 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10452872)
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Keywords | レクチン / デンドリマー / 部位特異的変異体 / 蛋白質工学 / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
1)溶血性レクチンCEL-IIIの立体構造に基づく部位特的変異体の作製と活性解析 これまでのCEL-III部位特異的変異体の構造機能解析から,そのドメイン3において,塩基性アミノ酸が活性に重要な役割を果たしていることがわかった。特にLys405をAlaに変異させたK405Aについては,天然物から精製したnative CEL-IIIに匹敵する溶血活性を示すことから,この残基を中心にさらに部位特異的変異体作製を行った。この残基は,近傍のAsp371とイオン結合を形成していることから,反対の電荷を有するGlu残基に変異させ(K405E),その性質を検討したところ,K405EはK405A以上の高い溶血活性を示したことから,新たに導入したGlu405が負電荷同士の反発によりドメイン3のコンフォメーション変化を促進することによって,溶血活性を著しく上昇させたものと推定された。 2)C型レクチンCEL-Iの糖結合部位のアミノ酸変異による結合特異性改変 CEL-Iは糖結合部位に,Gal特異性に重要な役割を果たすQPD(Gln-Pro-Asp)配列をもちGal/GalNAc特異的を示すが,これをMan特異性に関与すると考えられているEPN(Glu-Pro-Asn)配列に変異させるともに,近傍に位置するTrp105をHisに変異させ,得られた変異体EPNH-CEL-Iの性質と構造について,mannotriose含有polyamidoamine dendrimer (Man3-PD)との複合体形成に対する種々の糖の阻害によって,その糖特異性を検討した。その結果,EPNH-CEL-Iは,Man及びMethyl-α-Manに高い親和性を示すが,GalやMethyl-α,β-Galに対してはほとんど親和性を示さないことが明らかになった。EPNH-CEL-I/Man複合体のX線結晶構造解析を行ったところ,1.7Å分解能での構造解析に成功し,その糖認識様式が哺乳類血清中に存在するマンナン結合レクチンと類似していることが明らかになった。
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