2012 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子改変酵母を用いた食品成分代謝物調製技術の開発
Project/Area Number |
23580179
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
生城 真一 富山県立大学, 工学部, 准教授 (50244679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榊 利之 富山県立大学, 工学部, 教授 (70293909)
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Keywords | 国際情報交換、フィンランド |
Research Abstract |
前年度に引き続き、機能性食品成分としてのポリフェノール化合物の生体代謝物(グルクロン酸抱合体や硫酸抱合体)を遺伝子改変酵母を用いて大量に調製するシステムの構築を目指した。1)UDP-グルクロン酸転移酵素及びUDP-グルコース脱水素酵素を同時に組み込んだ出芽酵母株を構築した。前年度構築した分子種に加えて、ヒトUGT1種、マウスUGT2種、ウサギUGT1種を新たに加えてその抱合能の評価をおこなった。ポリフェノールとしてケルセチンを基質として用いて大量合成の検討をおこなった。4箇所の水酸基に対する抱合体を得ることができた。これらのグルクロン酸抱合体合成については以下の通り特許取得済みである。(グルクロン酸転移酵素の製造方法;特許第4918582号、出芽酵母を用いたグルクロン酸抱合体の製造方法;特許第5051485号、出芽酵母形質転換体;特許第5207201号)2)硫酸抱合体についてはヒト由来分子種(SULT1A1,1A3,1B1,1E1,2A1)を選択し、出芽酵母に導入した株を構築した。硫酸基供与体を供給する活性硫酸合成酵素(PAPS)の同時発現も試みたが、非存在下でも十分な抱合活性が見られた。SULT1A1分子種によりケルセチン3’位硫酸抱合体を高効率で産生することに成功した。硫酸抱合についても以下の通り、特許出願中である。 (遺伝子改変酵母を用いた硫酸抱合体の製造方法;特開2012-165676)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に引き続き、機能性食品成分としてのポリフェノール化合物の生体代謝物(グルクロン酸抱合体や硫酸抱合体)を遺伝子改変酵母を用いて大量に調製するシステムの構築を目指した。1)UDP-グルクロン酸転移酵素及びUDP-グルコース脱水素酵素を同時に組み込んだ出芽酵母株を構築した。ヒトUGT14種、ラットUGT10種、マウスUGT8種、ブタUGT2種、ウサギUGT1種とヒトのみならず哺乳動物UGT分子種の発現株を構築することができた。これら分子種多様性は抱合体合成の多様性を生み出すことによりさまざまな食品成分の抱合体合成を可能にするものである。グルクロン酸転移酵素の製造方法;特許第4918582号、出芽酵母を用いたグルクロン酸抱合体の製造方法;特許第5051485号、出芽酵母形質転換体;特許第5207201号)2)硫酸抱合体についてはヒト由来分子種(SULT1A1,1A3,1B1,1E1,2A1)を選択し、出芽酵母に導入した株を構築した。硫酸基供与体を供給する活性硫酸合成酵素(PAPS)の同時発現も試みたが、非存在下でも十分な抱合活性が見られた。SULT1A1分子種によりケルセチン3’位硫酸抱合体を高効率で産生することに成功した。硫酸抱合についても以下の通り、特許出願中である。 (遺伝子改変酵母を用いた硫酸抱合体の製造方法;特開2012-165676)以上の通り、本申請の当初の計画通り進捗していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の申請通り、グルクロン酸抱合及び硫酸抱合体合成システムの充実を目指す。1)抱合酵素発現株の評価:これまでに得られたUGT及びSULT発現酵母株を用いてさまざまな構造を有する食品中機能性成分の網羅的な代謝解析をおこなう。マイクロウエルプレートを用いたハイスループットな解析系の構築を試みる。2)抱合体合成条件の検討: 3)UGT及びSULT同時発現株の構築及びヘテロ抱合体の合成:複数の抱合化部位を有する化合物に対してグルクロン酸及び硫酸抱合を同時に受けた代謝物を合成する。より生体内において見いだされる代謝物を調製することにより、その機能性や体内動態に関する知見を得ることが期待される。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本申請年度において計上していた物品費用のうち、新規UGT遺伝子合成が当初の予定より少なくなったため、申請予算を下回る結果となった。次年度の研究費使用計画としては、本年度申請予算と合わせて新規UGTの人工遺伝子合成費用にあてて使用する。
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[Journal Article] Comparative Study on 2,2',4,5,5'-Pentachlorobiphenyl-Mediated Decrease in Serum Thyroxine Level between C57BL/6 and Its Transthyretin-Deficient Mice.2012
Author(s)
Kato Y., Tamaki S., Haraguchi K.,Ikushiro S., Sekimoto M., Ohta C., Endo T., Koga N., Yamada S., and Degawa M.
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Journal Title
Toxicology and Applied Pharmacology
Volume: 263
Pages: 323-329
Peer Reviewed
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