2011 Fiscal Year Research-status Report
時系列三次元リモートセンシングによる広域森林資源シミュレーションシステムの開発
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23580197
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
露木 聡 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (90217381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
龍原 哲 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (40227103)
美濃羽 靖 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 講師 (80285246)
古家 直行 独立行政法人森林総合研究所, 北海道支所, 研究員 (50391181)
廣嶋 卓也 東京大学, 農学生命科学研究科, 講師 (40302591)
松村 直人 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (30332711)
尾張 敏章 東京大学, 農学生命科学研究科, 講師 (00292003)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 森林資源管理 / 成長予測 / 航空機レーザースキャナ |
Research Abstract |
本研究は上空および地上から計測された時系列データの結合による詳細な資源予測を広範囲で実現することを目的としている。 そのためにはまず、研究対象地である伊勢神宮宮域林試験地および東京大学演習林試験地において取得された航空機レーザースキャナーデータやステレオ航空写真から作成された数値表層モデルと同じ範囲で時系列データを整備することが必要である。そこで、研究対象地における既存の樹冠に関する三次元計測結果の整理を行い、樹高等の情報が不十分であったデータを現地調査により補完した。そして、これらの現地計測データを用いて、森林成長予測ツールの対象とする林分密度水準の上限と下限を閉鎖開始密度曲線、最多密度曲線として定式化した。 一方、高感度GPSを利用して取得した試験地の位置座標をもとに、リモートセンシングデータと現地計測データとの突き合あわせを行った。そして、リモートセンシングによって計測された樹冠情報を、対象とする林分の本数密度等に応じて、最多密度・平均管理密度・閉鎖開始密度からなる林分密度によって区分した。その際、航空機レーザースキャナーによって取得済みの数値標高モデルを利用して、標高・傾斜・斜面方位等の地形に応じて解明した土地生産力の違いを考慮した。 さらに、樹冠の情報として、リモートセンシングデータから得られた樹冠長・樹冠幅に基づき、樹冠体積・樹冠表面積等の立体的な情報を算出した。そして、リモートセンシングによって直接観測することが不可能な樹幹形や直径等を、現地調査によって取得された樹冠長・樹冠幅・樹冠体積・樹冠表面積と比較し、リモートセンシングによる樹冠情報と現地調査による樹幹情報との関係を分析することができるデータセットを整備した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の研究実績の概要で示したように、研究の開始に必要不可欠な既存の森林三次元計測データおよび現地調査データの整備と不足部分の現地調査等が当初の研究実施計画通り完了しており、進展状況は順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従い、今後は昨年度の実施状況を踏まえて昨年度整備したデータの解析に重点を置くが、新たな航空機レーザスキャナーデータの取得を行い時系列データセットの整備を行いつつ研究を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
既存のレーザ計測データと合わせて二時点以上のデータセットをそろえるために、当初は本年度に新規の航空機レーザスキャナー計測を計画していたが、計測に使用する航空機等の手配が昨年3月の震災の影響で、計測の最適な季節に間に合わなくなった。そのため、航空機計測を次年度に順延したことにより繰り越し額が生じたものである。次年度に航空機計測を予定しており、繰り越した研究費はそのための費用として使用する予定であるが、気象条件等の状況によっては新規計測を再来年度に延期する可能性がある。 上記以外では主として、航空機計測となるべく近い時期に行う現地調査および時系列データ解析に不可欠な数理計画法パッケージソフトの購入のために研究費の使用を計画している。
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