2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23580332
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柴田 祐 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90444562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤木 昌典 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90254458)
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Keywords | 集落 / 消滅集落 / 環境管理 / 通い / 国土保全 |
Research Abstract |
兵庫県北部の但馬地域を対象として、農林業センサスにより消滅した可能性のある集落を抽出したうえで、各市町に対するアンケート調査及びヒアリング調査を実施し、1960年以降に発生した消滅集落として14集落を特定した。現地調査及び市町及び通いを実施している元居住者へのヒアリング調査を実施し、集落消滅の経緯・時期、「通い」を行っている時期、頻度、内容、農地などの管理状況などを把握した。あわせて、上記14集落について、集落環境の維持管理の実態を明らかにするため、現地調査を実施するとともに航空写真による土地利用の変化の把握を行った。その結果、①通いで行う内容からその段階を、第1段階「冬季以外は消滅集落で居住、農林業を営む」、第2段階「冬季以外に消滅集落へ通い、農林業を営む」、第3段階「冬季以外に消滅集落へ通い、山菜採りなど農林業以外を行う」の大きく3つに分けることができること、②土地利用の変化を把握した結果、農地の残存率は3.1%から20.7%と消滅集落によって様々であること、③通いの段階に応じて農地の残存率が低下する傾向があること、④維持管理されている農地のそばには、家屋や集落の消滅後に建設したと考えられる作業小屋があることが多いことなどが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
想定よりも消滅集落の特定に時間を要したため、引き続き今年度も消滅集落の特定作業を行うとともに、集落環境の維持管理の実態調査を予定通り実施し、「通い」による集落環境の維持管理の効果の一端を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで兵庫県を対象として実施してきた消滅した集落及び消滅が危惧される集落の抽出と特定及び特徴の把握作業について、調査対象を近畿圏全体(京都府、奈良県、和歌山県)へ拡大して消滅集落の特定及び特徴の把握を進めることとする。 また、消滅が危惧される集落の将来世代(現居住者の子)に対するアンケート調査の実施にむけ、地元市町及び自治会等の協力が得られるよう調整を進め、予定通り実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費として、アンケート調査に必要な文具等、対象集落を含む市町の住宅地図を購入する予定である。 旅費として、追加の現地調査旅費、昨年度研究成果の学会発表のための出張旅費を支出する予定である。 人件費・謝金として、データ入力、整理のためのアルバイト給与を支出する予定である。 その他として、アンケート調査票の印刷費、郵送費を支出する予定である。
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