2011 Fiscal Year Research-status Report
新規Th2免疫賦活物質を用いた難治性免疫疾患の治療と予防に関する基礎的研究
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23580405
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
森本 將弘 山口大学, 農学部, 教授 (30274187)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | Th2 / 消化管寄生蠕虫 |
Research Abstract |
初年度はTh2免疫賦活物質を得るために、数多くの感染実験を行い寄生虫虫体を収集した。収集後抽出を行い、実験に使用した。抽出物収集のためにかなりの時間と動物が必要で有ったが、当初の計画の範囲で行えたと考える。抽出物よりTh2免疫賦活物質を単離するためには、in vitroでのTh2活性化をアッセイできる実験系が必要で有る。本年度は実験対象を絞って、抽出物を用いることが出来る範囲で実験を行った。当初の想定であった、リンパ装置細胞(抗原提示細胞、リンパ球)ならびに消化管上皮細胞を用いた細胞培養系への抽出物添加による、Th2サイトカインの産生増加が起こるのかの検討を行った。抗原提示細胞、リンパ球混合培養系に抽出物をDMSO,またはSDSに縣濁し培養系に添加しTh2サイトカインの産生量を検討した。抽出物添加によってもTh2サイトカインの産生増加は認められなかった。抽出物はin vivoで作用を示す場合は、経口投与であり、消化管内でのプロセッシングを受ける場合も想定される。抽出物がそのままの形状では作用しない場合も考えられるため、今後は酸化、酵素等による処理を施したのちに培養系に添加する方法も想定すべきであると考えられた。また、消化管上皮細胞培養系に抽出物をDMSO,またはSDSに縣濁し培養系に添加しTh2サイトカインの産生量を検討した。抽出物添加によってもTh2サイトカインの産生増加は認められなかった。用いた細胞は唯一入手可能であった癌細胞由来の細胞株しか行えなかった。初代上皮細胞も含めた、種々の細胞での検討も必要で有ると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の想定であった、リンパ装置細胞(抗原提示細胞、リンパ球)ならびに消化管上皮細胞を用いた細胞培養系への抽出物添加による、Th2サイトカインの産生の検討を行ったが、反応が見られ無かった。抽出物の性状が作用発現には重要で有るかも知れないという結果も得られたこと、また、消化管上皮の種類を検討しなければならないことなど、本年度のつなげられる結果は得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の結果を受けて、抽出物の処理の検討、また消化管上皮の種類の検討も次年度計画に追加して検討を行う。また次年度はin vivo投与実験の材料を用いた、マイクロアレイによる遺伝子発現解析も計画しており、総合的に抽出物の作用機序に迫れると考える。本年度はわずかの未使用額が発生したが、僅かの予算内で適当な実験関連物品が無かった。次年度の予算におおきく影響する金額ではないが、試薬等の消耗品等に追加して使用したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
抽出物収集のために、昨年度と同様に数多くの感染実験を行い寄生虫虫体収集と抽出を行う。また当初の計画通り、in vivo投与実験の材料を用いた、マイクロアレイによる遺伝子発現解析を行う。また本年度の結果を踏まえて、抽出物の処理を施し、細胞培養系への添加実験を行う。マイクロアレイの結果如何では、対象細胞の検討を行う。
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