2012 Fiscal Year Research-status Report
新規Th2免疫賦活物質を用いた難治性免疫疾患の治療と予防に関する基礎的研究
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23580405
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
森本 將弘 山口大学, 獣医学部, 教授 (30274187)
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Keywords | Th2 / 消化管寄生蠕虫 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、免疫活性物質収集のために、数多くの感染実験を行い寄生虫虫体を収集した。昨年度入手できなかったラット由来の消化管上皮細胞培養系にDMSO、またはSDSに抽出物を縣濁しTh2サイトカインの産生を検討したが、産生増加は認められなかった。また、in vivoでの抽出物投与後に継時的に小腸を採材し、マイクロアレイ法によって産生増加した遺伝子を検索したが、Th2関連サイトカインの発現増加は認められなかった。しかし、強力な抗菌物質であるαーディフェンシンの発現増加を認めた。この物質は抗酸菌や原虫での宿主の防御作用を担う物質であることは知られていたが、蠕虫での作用は検討されておらず、本実験の結果より、蠕虫に関しても防御作用を担う可能性が示唆された。また、本物質の採用発現には消化管内でのプロセッシングの必要性を検討するために、抽出物をトリプシンで処理し、その後リンパ装置(抗原提示細胞、リンパ球)並びに消化管上皮細胞を用いた細胞培養系への抽出物添加によるTh2サイトカイン産生増加を検討した。縣濁溶媒としては、DMSO,SDS以外にもguanidine hydrochloride、1-O-n-Octyl-β-D-glucopyranosideを用いた。その結果リンパ装置細胞培養系で1-O-n-Octyl-β-D-glucopyranosideに縣濁したトリプシン処理抽出物添加群でIL-4産生が有意に上昇した。抽出物の単離の為のin vitroのアッセイ系を確立することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抽出物の活性検定の為に、in vitroの実験系確立が本抽出物単離のために大きなハードルで有り、実験系が確立されたことにより研究の目的達成が可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
抽出物単離の為に、どの様な分画を用いるかが重要となる。サイトカインの反応は認められるものの、現在の状況では、溶媒への完全な溶解が達成できていないと考えられることから、様々な界面活性剤を用いて、活性分画の可溶化を計画している。また、現在行っている、虫体の超音波破砕では、少量の抽出物しか得ることが出来ない。そのために虫体破砕方法に関しても大量に得ることが出来る方法も合わせて検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度では本抽出物を溶解するのに至適な溶媒を見つけることが出来ず単離のために大きなハードルとなった。そこで本年度は、単離に向けた抽出物質の可溶化を加えて検討する。可溶化が達成できれば、研究目的である、本物質の作用起点の検討も容易となる。また、リンパ装置(抗原提示細胞、リンパ球)細胞を用いた細胞培養系への抽出物添加により、マイクロアレイによる遺伝子発現の検討も可能となる。
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