• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2012 Fiscal Year Research-status Report

南九州の豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス株の遺伝子解析と持続感染様式の解明

Research Project

Project/Area Number 23580425
Research InstitutionUniversity of Miyazaki

Principal Investigator

平井 卓哉  宮崎大学, 農学部, 准教授 (60321668)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 山口 良二  宮崎大学, 農学部, 教授 (90150169)
Keywords豚 / 豚繁殖・呼吸障害症候群 / 南九州 / ウイルス / 持続感染 / 病理学
Research Abstract

豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)は、養豚業界において経済的損失が最も大きいウイルス性疾病で、母豚の繁殖障害や子豚の呼吸器障害などを引き起こす。PRRSウイルスに感染している妊娠母豚は、繁殖豚舎内で垂直感染や分娩後早期の感染を起こし、離乳後に子豚舎内で呼吸器病が蔓延する。したがって、本対策で最も大事なポイントは、「繁殖母豚から子豚への感染を抑えること」である。本研究では、母豚群におけるウイルス動態、感染臓器、感染細胞、南九州におけるウイルス株の遺伝子性状を明らかにして、持続感染様式の一端を解明することである。
今年度は流産母豚における感染細胞を明らかにするために、扁桃を用いて免疫組織化学法とISH法の二重染色を実施した。その結果、ウイルス感染細胞は扁桃陰窩周囲や粘膜固有層のマクロファージもしくは樹状細胞であることが示された。また、ウイルスが唾液で検出される一因として、感染細胞の一部が口腔内に脱落するためと推測された。対象農場において母豚の血清を採取し、PRRSウイルスの遺伝子検査を行ったところ、46例中1例がPCR陽性を示した。次に、母豚血清および唾液を経時的に採取し、ウイルス感染状況を解析した。対象母豚は、血清あるいは唾液サンプルでPCRが陽性になった症例、高い抗体価を示した症例、流産歴のある症例とし、合計42例の扁桃を採取した。これらの扁桃よりRNAを抽出し、PRRSウイルス遺伝子を検査したが、全ての症例は陰性を示した。
以上の成績より、母豚において扁桃がPRRSウイルスの増殖の場として重要であることが明らかになった。感染細胞の一部は口腔内に脱落し、唾液検査で検出されることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成24年度計画していた母豚血清の経時的調査および廃豚の調査は、概ね達成できた。

Strategy for Future Research Activity

前年度の検査に加え、持続感染豚における感染臓器や感染細胞を明らかにする目的で、高産歴母豚だけでなく、繁殖候補雌豚(更新用未経産雌豚)を検査対象に加える。また、南九州におけるウイルス株の遺伝子性状を明らかにする目的で、宮崎県の各食肉衛生検査所における出荷豚だけでなく、鹿児島・宮崎両県の養豚場における病豚を検査対象に追加する。
1)宮崎県および鹿児島県のPRRS陽性農場における母豚の解析。(1)母豚血清の経時的調査。前年と同様に実施する。検査対象母豚として、高産歴母豚だけでなく、繁殖候補雌豚(更新用未経産雌豚)を追加する。(2)流産胎児や子豚の呼吸器病の調査。前年と同様に実施する。(3)廃豚(母豚)の調査。母豚は通常7産後に廃用となるが、繁殖候補雌豚についても、性器の形状で繁殖に向かないと判断された場合、廃用になる事がある。今回は、繁殖候補雌豚を中心に調査する。廃用時に血清や各種臓器を採材し、病理検査、タイラマイドISH増感法、Real-time RT-PCR法を行う。これらにより、感染臓器、持続感染細胞ならびに各種臓器中のウイルス量を明らかにする。また、シークエンス解析を行い、ウイルス株の特徴を明らかにする。
2)その他の廃豚および子豚の調査。宮崎県の各食肉衛生検査所などにおいて廃豚や子豚の血清、肺、扁桃などを農場ごとに採材し検査する。また、鹿児島・宮崎両県の養豚場における病豚を検査対象に追加する。これらの豚の検査は主に宮崎県を中心とした南九州(鹿児島県、熊本県、大分県を含む)のウイルス株の遺伝子性状を幅広く調べることを目的とする。RT-PCR法で陽性になった症例についてシークエンス解析を行い、ウイルス株の遺伝子性状を明らかにする。
3)南九州におけるウイルス流行株の解析。上記1)2)のシークエンス解析をもとに、南九州におけるウイルス流行株の特徴を明らかにする。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

該当なし

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 流産母豚における豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルスの局在2012

    • Author(s)
      Nguyen Thi TRANG 、松田麻里、平井卓哉、山口良二
    • Organizer
      第154回日本獣医学会学術集会
    • Place of Presentation
      岩手大学
    • Year and Date
      20120914-20120916

URL: 

Published: 2014-07-24  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi