2011 Fiscal Year Research-status Report
化学物質の卵巣毒性評価に向けたレーザーマイクロダイセクションの応用に関する研究
Project/Area Number |
23580431
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
代田 眞理子 麻布大学, 獣医学部, 准教授 (40426424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
代田 欣二 麻布大学, 獣医学部, 教授 (70147974)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 卵巣毒性 / レーザーマイクロダイセクション / SLCトランスポーター / ABCトランスポーター |
Research Abstract |
外来性化学物質に内在する卵巣毒性は、女性の健康を脅かす重大な危害因子のひとつである。卵巣毒性の発現には、内分泌学的要因の他に、他の組織における毒性発現と同様に、薬物トランスポーターや細胞内への情報伝達物質、あるいは薬物代謝酵素も大きく関与しているものと考えられる。しかし、これらの分子の卵巣における発現、とくに卵母細胞の貯蔵組織である卵胞における発現は、必ずしも充分な知見が得られているわけではない。本研究は、発育段階の異なる卵胞からレーザーマイクロダイセクションにより顆粒層細胞層を採取し、そこに発現するこれらのタンパク質をコードする遺伝子を、時間分解PCR装置で定量解析し、また、遺伝子産物の局在を免疫組織化学により明らかにすることにより、卵胞の発育に伴うこれらの分子の消長を明らかにしていこうとするものである。初年度である平成23年度は、solute carrier (SLC) トランスポーターおよびATP-binding cassette (ABC)トランスポーターについて定量解析するサブファミリーの選定を行った。すなわち、生殖腺での発現が報告されているトランスポーターサブファミリーの遺伝子配列を基にPCR用のプライマーを設計して入手し、これを用いて成熟雌ラットの卵巣から合成したcDNAについて増幅を試みた。また、肝臓あるいは胎盤から合成したcDNAについても同様に増幅を試み、これらの組織で期待されたサイズの増幅産物が得られたサブファミリー遺伝子を解析対象に選定した。免疫組織化学については、入手した一次抗体を用いて至適条件の検討を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象遺伝子の選定を終了した後に遺伝子の定量を行う予定であったが、選定に時間を要し、選定できた分子種も充分ではなかったために予定していた定量解析を実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、研究協力者を加えて研究体制を強化することにより、研究を推進する。特に、解析対象遺伝子の追加選定ならびに平成23年度に実施できなかった遺伝子定量解析を、平成24年度に実施予定の動物実験と併行して行うことで研究を加速することとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主として遺伝子定量解析を平成23年度に実施できなかったため生じた研究費は、平成24年度に繰り延べて実施する同解析に充当する。また、平成23年度に支出しなかった旅費も、平成24年度分と合わせて研究情報の入手ならびに研究成果の公表のために使用する予定である。平成23年度に生じた分担者研究費は平成24年度研究費と合わせて免疫組織化学に用いる一次抗体の入手に用いる予定である。
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