2013 Fiscal Year Annual Research Report
化学物質の卵巣毒性評価に向けたレーザーマイクロダイセクションの応用に関する研究
Project/Area Number |
23580431
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
代田 眞理子 麻布大学, 獣医学部, 教授 (40426424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
代田 欣二 麻布大学, 獣医学部, 教授 (70147974)
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Keywords | 卵巣 / 毒性 / P糖タンパク質 / レーザーマイクロダイセクション / ABCB1a / ABCB1b / 幼若ラット / ウマ絨毛性性腺刺激ホルモン |
Research Abstract |
外来性化学物質に内在する卵巣毒性は、女性の健康を脅かす重大な危害因子のひとつである。本研究では、レーザーマイクロダイセクション(LMD)の卵巣毒性評価への応用を目的として、卵巣毒性発現への関与が推測される薬物トランスポーターの卵巣組織における発現を解析した。候補遺伝子の中で卵巣における発現がPCRで確認されたP糖タンパク質(MDR1)の二つのアイソフォーム(ABCB1aおよびABCB1b)を解析対象とした。卵巣組織は、ウマ絨毛性性腺刺激ホルモン(eCG)を投与して投与3日後に自然排卵するように卵胞発育を促した幼若雌ラットから経日的に採取した。 eCG投与後の卵胞発育、排卵および黄体形成に伴うMDR1の発現変化を解析した結果、アイソフォーム間で相同性が高いC末端を抗原とする抗体を用いた免疫組織化学では、MDR1は発育卵胞の顆粒層細胞ならびに黄体細胞に局在することが明らかになった。それぞれのアイソフォームをコードする遺伝子の定量解析では、ABCB1bは排卵前日までほぼ同様のレベルで発現量が推移し、排卵後は低下していた。In situ hybridizationの結果、ABCB1bは比較的早い発育段階の卵胞の顆粒層細胞で顕著に発現し、黄体にはほとんど発現していないことが明らかになった。一方ABCB1aの発現量は卵胞発育、排卵、黄体形成の過程を辿って変動し、両遺伝子の発現動態に差異が認められた。同一の動物の肝臓では両遺伝子ともに経日的な変化は認められなかったことから、これらは卵巣に固有の変化であると考えられた。特に顕著な差の認められた黄体組織をLMDで採取し、遺伝子定量解析を行った結果、ABCB1a発現量に変動が確認された。
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Research Products
(1 results)