2013 Fiscal Year Annual Research Report
高等真核生物の染色体安定化を司る新規RNA干渉複合体DRH-3・E1の機能研究
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23590074
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
浴 俊彦 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40192512)
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Keywords | ヘリカーゼ / 線虫 / RNA干渉 |
Research Abstract |
本研究では、申請者が独自に発見した高等真核生物(線虫)の染色体動態制御に関与する新規RNAi因子、DRH-3とE1の分子機能解明を目指している。昨年度より、両タンパク質の解析に重点を絞って研究を進めてきた。本年度実施した研究内容と結果を以下に示す。 1. DRH-3等の調製と生化学的解析:生化学的解析に使用するnativeなDRH-3を調製するため、精製タンパク質からタグを除去するためのTEVプロテアーゼ切断部位を組み込んだDRH-3タンパク質発現コンストラクトを作製し、タンパク質の調製を行った。野生型DRH-3については調製できることが示されたが、昨年度、発現タンパク質の不溶化問題が判明した変異型DRH-3タンパク質については、新たにGSTタグ融合タンパク質発現コンストラクトの作製と精製の検討を進めた。これら3種類の点変異型DRH-3はRNAi機能異常を指標に単離された線虫変異体に由来しており、野生型タンパク質と比較することで、DRH-3の分子機能解明に重要と考えている。また昨年度より線虫のDicer Related Helicase (DRH)の分子機能を比較解析するため、DRH-3パラログであるDRH-1タンパク質の調製を試みているが、DRH-3とは異なり、ポリヒスチジンタグおよびGSTタグともに発現した融合DRH-1は不溶化した。 2. E1の調製およびDRH-3との相互作用解析:相互作用解明のためのプルダウンアッセイや生化学的解析に必要な二種類(ポリヒスチジン、GST)のタグ融合野生型E1タンパク質を調製した。昨年度、不溶化で調製できかなった2種類のポリヒスチジンタグ融合Tudorドメイン欠失型タンパク質も、今年度、発現に使用する大腸菌株を変更することで精製に成功した。野生型E1とDRH-3については、プルダウンアッセイにて相互作用を確認した。変異型E1を用いて、DRH-3との相互作用、およびメチル化ヒストンとの結合におけるTudorドメインの必要性についても検討を進めた。
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Research Products
(5 results)