2012 Fiscal Year Research-status Report
テトラスパニンCD81を標的とした新規リウマチ治療薬および診断薬の開発
Project/Area Number |
23590102
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Research Institution | Shujitsu University |
Principal Investigator |
中西 徹 就実大学, 薬学部, 教授 (30243463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 祐志 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50347449)
長塚 仁 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70237535)
渡辺 雅彦 就実大学, 薬学部, 教授 (00182949)
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Keywords | CD81 / テトラスパニン / モノクローナル抗体 / シノビオリン / siRNA / TNFalpha / グリア細胞 / iPS細胞 |
Research Abstract |
(1)前年度樹立した抗CD81モノクローナル抗体の中から優れたものを選抜し、動物実験用にマウス腹水より大量生産し精製した(合計約150mg)。 (2)新規抗体医薬品開発の基礎研究として、リウマチモデル動物の腹腔に上記抗体を投与することによる治療実験を行った。その結果、有効性を認めた。また、この投与量で、投与動物に毒性あるいは組織上の問題点は見られなかった。 (3)CD81を阻害することによるリウマチ治療の作用機序、特に滑膜細胞増殖抑制作用について検討を行った。滑膜肉腫SW982細胞にCD81siRNAを導入することで、細胞の変化を解析したところ、TNFalpha依存性のシノビオリンの発現上昇がsiRNAにより抑制された。またSW細胞からのTNFalphaの産生自体もsiRNAにより抑制された。このことからCD81は、滑膜細胞でTNFalpha依存性にシノビオリンの発現を誘導し、またこのTNFalpha自身の滑膜細胞からの生産も促進することで、滑膜細胞の増殖を誘導するものと予想された。 (4)(1)の抗CD81モノクローナル抗体は、グリア腫瘍細胞の増殖を抑制した。 (5)(1)の抗CD81モノクローナル抗体は、マウスiPS細胞の増殖、分化を制御した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規リウマチ治療薬開発のためにマウス抗CD81モノクローナル抗体を樹立、選抜し、さらに適したものを大量生産し、モデル動物に投与することで治療実験に成功した。またその作用機序についても、TNFalphaやシノビオリンを介する細胞増殖制御という重要な知見を得た。 この抗体は他の細胞に対しても、増殖抑制等の効果を有することを発見した。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)モデル動物抗体治療実験をさらに繰り返して、有効性を確認する。 (2)抗体治療実験における毒性や組織への影響についてさらに詳細に解析する。 (3)臨床試験に向けて、その準備を進める。 (4)抗体の作用機序について、リガンド探索、Tgマウス作製など残っている課題を進める。 (5)抗体の他の細胞に対する影響を引き続き解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
細胞培養培地・器材費、DNA実験試薬、抗体費、動物実験費 950,000 円 旅費 100,000 人件費 100,000 論文投稿費等 50,000 計 1,200,000
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Research Products
(4 results)