2014 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症発症脆弱性因子dysbindin-1による細胞機能制御
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23590124
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
伊東 秀記 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 神経制御学部, 主任研究員 (40311443)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | dysbindin / サイクリンD / 統合失調症 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに、統合失調症発症脆弱性因子であるdysbindin-1とサイクリンD1の結合について、(1)dysbindin-1とサイクリンD1は、それぞれのC末端側の領域を介して結合すること、(2)哺乳動物培養細胞において、細胞周期の進行に依存的して、部分的ではあるが、核および細胞質においてdysbindin-1とサイクリンD1の共局在が見られること、などを明らかにしてきた。 今年度は、まず、3種類のdysbindin-1アイソフォーム(dysbindin-1A、-1B、-1C)と3種類のサイクリンD分子(サイクリンD1、D2、D3)の結合に、分子間で選択性が見られるか検討した。COS細胞一過性発現系を用いて免疫沈降を行ったところ、dysbindin-1AはすべてのサイクリンD分子との複合体形成が見られ、中でもサイクリンD1との結合が最も強く検出された。一方、dysbindin-1B、-1CとサイクリンD1との複合体形成は確認できたが、サイクリンD2、D3との結合は検出できなかった。次に、サイクリンD1の代表的な結合分子であるcdk4のdysbindin-1A/サイクリンD1複合体形成に及ぼす影響について検討した。COS細胞一過性発現系を用いた免疫沈降法により解析した結果、cdk4存在下では、dysbindin-1A/サイクリンD1複合体形成は著しく抑制されることがわかった。一方、サイクリンD1/cdk4複合体に対するdysbindin-1Aの影響は見られなかった。これらのことから、サイクリンD1のdysbindin-1Aに対する親和性はcdk4に対する親和性よりも低いと考えられた。 今年度までの解析の結果から、dysbindin-1AはサイクリンD1/cdk4複合体と協調して、細胞周期調節過程で何らかの機能を果たしていると考えられた。
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Research Products
(11 results)