2014 Fiscal Year Annual Research Report
血管平滑筋細胞の脱分化に伴い異常発現するマイクロRNAから動脈硬化症の原因を探る
Project/Area Number |
23590295
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中村 彰男 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30282388)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
Keywords | 動脈硬化性疾患 / 血管平滑筋細胞 / 形質転換 / マイクロRNA解析 / リン酸化プロテオーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
動脈硬化症の要因として、脂肪代謝の異常に伴う血管平滑筋の形質転換が注目されている。血管平滑筋は血管の中膜を形成し、通常は血管収縮や弾力性などの機能を果たしてが、この収縮型の血管平滑筋が形質転換により、収縮能のない合成型細胞に変化し、活発に増殖を繰り返しながら中膜から内膜へと遊走する。遊走した平滑筋細胞は、最終的には動脈内膜に肥厚を形成し、その患部は動脈硬化症により狭窄そして閉塞する。ところが、この動脈硬化症を引き起こす血管平滑筋細胞の形質転換の分子メカニズムに関してはいまだに良くわかっていない。タバコ煙に含まれるニコチンがプラークへの血管平滑筋細胞の遊走を促進する事から、我々はニコチンが血管平滑筋細胞の細胞遊走能をどの様な作用機序で促進させるかに関して調べる為に、ニコチンに暴露した血管平滑筋細胞の網羅的遺伝子発現プロファイルをDNAマイクロアレイおよびリアルタイムPCRで、また培地中に放出されるエクソソームに含まれるマイクロRNAをマイクロRNAアレイにより解析をした。さらにウェスタンブロットによりタンパク質レベルでマーカータンパク質の発現とリン酸化レベルを解析した。さらに質量分析計を用いたリン酸化プロテオーム解析により特異的にリン酸化される蛋白質の解析を行った。その結果、全遺伝子発現解析とリアルタイムPCRの結果では平滑筋の分化マーカー遺伝子の発現がニコチン暴露により変化していた。そして、形質転換により変動するマイクロRNAを特定した。同時に形質転換により特異的にリン酸化する蛋白質を同定した。
|
-
[Journal Article] Nicotine exposure alters human vascular smooth muscle cell phenotype from a contractile to a synthetic type.2014
Author(s)
Yoshiyama, S., Chen, Z., Okagaki, T., Kohama, K., Nasu- Kawaharada. R., Izumi, T., Ohshima, N., Nagai, T., and Nakamura, A.
-
Journal Title
Atherosclerosis
Volume: 237(2)
Pages: 464-470
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
-
[Journal Article] Interaction of peptide-bound beads with lipopolysaccharide and lipoproteins.2014
Author(s)
Suzuki,M.M.,Matsumoto,M.,Omi,H.,Kobayashi,T.,Nakamura, A.,Kishi,H.,Kobayashi, S., and Takagi, T.
-
Journal Title
J Microbiol Methods.
Volume: 100
Pages: 137-141
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
[Presentation] A Novel Physarum Phosphatase is related to transition to Sclerotium (Spherule) from plasmodium.2014
Author(s)
Okada,C., Nakamura, A.,Ogawa,K.,Kohama, K., Kaneko, T.
Organizer
15thIUBMB&24th FABMB-TSBMB
Place of Presentation
Taipei, Taiwan
Year and Date
2014-10-21 – 2014-10-26
-
-