2011 Fiscal Year Research-status Report
老化組織におけるヘテロクロマチン構造の解析と新規バイオマーカーの探索
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23590346
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
安達 三美 帝京大学, 医学部, 講師 (10323693)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 老化 / ヘテロクロマチン / ヒストン / miRNA |
Research Abstract |
本研究の目的は、老化に伴うヘテロクロマチン構造の変化の解析を行い、新しいバイオマーカーを探索し、様々な疾患との関連性を解析することである。平成23年度には、24週齢以上の老齢マウス(5匹)と3-4週齢の若いマウス(5匹)から、血清、脳、心臓、腎臓、肝臓、肺、骨格筋、膵臓、大動脈、脾臓を摘出し、蛋白抽出を行い、ヒストンH3、H2、各種修飾ヒストン、ヘテロクロマチン因子のWestern blotを行った。その結果、骨格筋で顕著にヒストンの発現の減少を認めた。老化における筋力低下のメカニズムにヒストンの発現減少による遺伝子発現の変化が大きく関与している可能性が示唆された。また血清サンプルを用いて(老齢マウスvs. 若いマウス、n=3)、分泌型miRNA microarrayを行った。その結果、13のmiRNAの発現が、老齢マウスで有意に上昇し、11のmiRNAが減少した。この中には現在老化関連miRNAとして報告されているmiR-34a、miR20aやmiR22はなかった。しかし最近Chartoumprekisらが高脂肪食摂取マウスの脂肪組織のmiRNA解析をしており、コントロールマウスと比較して、8つのmiRNAの発現の上昇と、13のmiRNAの発現の低下を報告している(PLoS ONE, 2012)。本研究では、Chartoumprekisらの高脂肪食摂取マウスの報告と3つのmiRNAの発現の上昇と、2つのmiRNAの発現の低下が一致している。高脂肪食摂取マウスは、老化が促進することが知られているので、これらのmiRNAの老化との関連性は期待できる。今後さらに、個々のmiRNAの機能解析を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の一番の目標であった、個体老化に関連性が期待できる因子を複数候補として挙げられたことが一番の収穫である。これにより、本年度の計画は、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
注目している5つのmiRNAに関して、どの臓器から出ているのか、各臓器のmiRNA-RT-PCR解析により検討する。また細胞老化との関連性について解析を行う。老化マウスの血清と高脂肪食摂取マウスの脂肪において上昇しているmiRNAを、継代数の少ない若いヒト線維芽細胞に導入し、細胞老化が起こるか、また減少しているmiRNAを若い細胞に導入し、継代を繰り返しても細胞老化が起こらないか検討する。さらに、老化が遅れることが知られているカロリー制限マウスにおいて、さらにマントヒヒやヒトの血清を用いたmiRNA解析でも同様な結果が得られるか検討を行う。骨格筋におけるヘテロクロマチン構造の変化が、どのような遺伝子の発現変化に関与していて機能低下に影響を及ぼしているかChip-seq法などを用いて解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
miRNA RT-PCR試薬、プライマー、抗体、細胞培養試薬、マウス他の消耗品に使用する。
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Research Products
(6 results)