2012 Fiscal Year Research-status Report
老化組織におけるヘテロクロマチン構造の解析と新規バイオマーカーの探索
Project/Area Number |
23590346
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
安達 三美 帝京大学, 医学部, 講師 (10323693)
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Keywords | 老化 / MASS / アルドラーゼA / 解糖系 |
Research Abstract |
老化の研究は臨床研究、特定の長寿遺伝子にターゲットをあてたマウスの研究、培養細胞系を用いた分子生物学的研究など多岐にわたっていて注目を集めている。しかし老化細胞を見分けるユニバーサルなマーカーはまだ確立されていない。本研究では、replicative senescenceを誘導したヒト胎児肺線維芽細胞(MRC5細胞, LF1細胞)と、継代数の低い若い細胞から核タンパク質を抽出し、2D-DIGE法→MASS解析を行い、老化により変化してくるタンパク質のプロファイリングを行う。さらに細胞老化で有意に変化したタンパク質について、マウス、マントヒヒ、ヒトの臓器組織においても老齢個体中の細胞で発現レベルが同様な変化を来すか解析を行う。そして種を超えて、臓器組織の種類を超えて、ユニバーサルな新規の老化のバイオマーカーを探索し、様々な疾患との関連性を解析することを目的とする。平成24年度では、2種類のヒト胎児肺線維芽細胞(MRC5細胞、 LF1細胞)を用いてreplicative senescenceを誘導した細胞と、継代数の少ない細胞(若い細胞)からそれぞれ蛋白抽出液、細胞質分画、核分画、クロマチン分画を抽出し、蛍光標識二次元デイファレンス電気泳動法(2D-DIGE法)でタンパク質を分離した。MRC5細胞、LF1細胞の両方で、老化細胞に強く発現しているタンパク質のスポットを切り抜き、MALDI-TOF MASSにて解析し、タンパク質の同定を行った。同定したタンパク質に対する抗体を用いて、Western blotおよび蛍光免疫染色法を用いて、明らかに老化細胞に多く発現し、肝臓や肺等の複数の臓器で、高齢マウスの方が、若いマウスより強く発現しているタンパク質、解糖系の酵素であるアルドラーゼAを同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の一番の目標であった、個体老化に関連性が期待できる因子を複数候補として挙げられたことが一番の収穫である。これにより、本年度の計画は、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)アルドラーゼAの発現が、transcriptionalかposttranscriptionalな制御を受けて増加しているのか、解析を行う。いずれの場合でも、さらに詳しいメカニズムを解析する。 (2)培養細胞の系を用いてアルドラーゼAのsiRNAによるノックダウンを行い、細胞老化が惹起されるか、抑制されるか解析し、アルドラーゼAが老化とどのような関連性をもつか追求する。 (3)老化臓器と老化細胞においてアルドラーゼ活性が亢進しているか、また他の解糖系の酵素の発現及び活性が増加しているか解析を行い、解糖系と老化との関連性について追求していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
抗体、血清などの細胞培養用試薬、プロテオミクス関連試薬、プライマー、マウス他の消耗品に使用する。本年度の大半、プロテオミクスの実験に集中し、抗体を用いた実験の計画が予定より遅れた。そのため未使用額が生じたが、次年度に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)