2014 Fiscal Year Annual Research Report
老化組織におけるヘテロクロマチン構造の解析と新規バイオマーカーの探索
Project/Area Number |
23590346
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
安達 三美 帝京大学, 医学部, 准教授 (10323693)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 老化 / 糖質コルチコイド / 鉱質コルチコイド / 細胞老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、種を超えて、臓器組織の種類を超えて、老化制御因子を探索することを目的とする。平成25年度までに、2種類のヒト胎児肺線維芽細胞(MRC5細胞、 LF1細胞)を用いてreplicative senescenceを誘導した細胞と、継代数の少ない細胞(若い細胞)からそれぞれ蛋白抽出液、細胞質分画、核分画、クロマチン分画を抽出し、2D-DIGE法でタンパク質を分離した。MRC5細胞、LF1細胞の両方で、老化細胞に強く発現しているタンパク質のスポットを切り抜き、MALDI-TOF MASSにて解析し、タンパク質の同定を行った。同定したタンパク質に対する抗体を用いて、Western blotおよび蛍光免疫染色法を用いて、明らかに老化細胞に多く発現し、肝臓や肺等の複数の臓器で、高齢マウスの方が、若いマウスより強く発現しているタンパク質を同定し、解析を行った。しかし、明らかな老化との関連性は認められなかったため、各臓器について、本手法で解析することについて困難であると判断した。近年、マウスの並行結合手術(parabiosis)によって、高齢マウスと若いマウスの血流を共有させると、高齢マウスの老化現象が抑制され、若返ることが報告され、注目されている。血液中に老化を制御する物質が存在することが考えられる。平成26年度では、血清の解析を行い、高齢マウスと若いマウスで明らかに違いがある因子を探索したところ、糖質コルチコイドが高齢マウスで高いこと、鉱質コルチコイド(アルドステロン)が低いことを見出した。さらに、ヒト副腎皮質腫瘍細胞株(H295R細胞)を用い、replicative senescence、薬剤誘導性細胞老化において、糖質コルチコイド産生が亢進し、アルドステロン産生が低下することが明らかになった。今後、老化副腎皮質細胞において、糖質コルチコイド及び鉱質コルチコイドの産生が変化するメカニズムを明らかにする。
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Research Products
(5 results)