2013 Fiscal Year Annual Research Report
高転移性ルイス肺癌細胞株が類洞様腫瘍血管を誘導する分子基盤の解明
Project/Area Number |
23590349
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
米倉 秀人 金沢医科大学, 医学部, 教授 (80240373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 崇之 金沢医科大学, 医学部, 講師 (00374942)
吉冨 泰央 金沢医科大学, 医学部, 助教 (80399039)
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Keywords | 腫瘍血管新生 / 癌転移 / 血管内皮細胞 / ルイス肺がん細胞 / DNAミクロアレイ |
Research Abstract |
血管形成・新生は組織の発生や維持に必須なだけでなく、癌増殖・転移など多くの疾患に深く関わっている。しかしながら、組織ごとに血管の微細構造が異なる分子基盤や癌転移と血管微細構造の関連など未解明な課題が残されている。本研究では、血管微細構造の決定機構を明らかにするため、構造の異なる腫瘍血管を誘導する転移性の異なる癌細胞株が分泌する血管形成関連因子群を包括的に明らかにするとともに、それら因子群に応答して異なった微細構造を形成するために働く血管内皮細胞側の遺伝子群を明らかにすることを目的とした。25年度は以下の成果が得られた。 1. 高転移性と低転移性癌細胞株で発現に差のある血管形成関連因子(群)の解明 24年度に同定した因子群の中から特に発現量の差が大きく、かつ分泌性のタンパク質をコードする候補遺伝子を選択し、それらの発現を抑制するshRNAを導入したがん細胞を作成した。それぞれの細胞をマウスに皮下移植して腫瘍内血管の微細構造を解析した。現在定量的解析を行っている。 2. 高転移性と低転移性腫瘍の血管内皮細胞の解明 高転移性および低転移性腫瘍内の血管の内皮細胞を単離し、両者の性質の差を明らかにした。高転移性および低転移性一次腫瘍内からCD31陽性の血管内皮細胞をMACSで分離し、マイクロアレイで遺伝子発現プロファイルを比較した。その結果、予想通りリンパ管内皮細胞のマーカーであるLYVE1の発現が高転移性腫瘍血管で低転移性腫瘍血管と比べて約4倍高いことが示された。また、高転移性腫瘍血管ではVEGF受容体の一つであるNRP1の発現が低下していた。さらに、血管新生に関与することが多く報告されているmicro RNAであるmiR-17-92クラスターの発現が著しく高いことが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)