2011 Fiscal Year Research-status Report
未知のポリADP-リボシル化タンパク質の同定、修飾部位決定と生物学的意義の解明
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23590350
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Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
三輪 正直 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 教授 (20012750)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 翻訳後修飾 / ポリADP-リボシル化 / ショウジョウバエ / 分解酵素 / 神経変性 |
Research Abstract |
DNA損傷修復、転写制御、細胞増殖と細胞死、分化などに関与するとされるポリADP-リボシル化の生理的役割は、目的タンパク質(被修飾タンパク質)の同定が必須であるにもかかわらず、基質NAD+の細胞膜非透過性、迅速な代謝による易分解性等のため未だになされていない。我々の樹立したポリ(ADP-リボース)分解酵素の欠失変異体のショウジョウバエに蓄積するポリADP-リボシル化タンパク質を、特異抗体を用いたアフィニティーカラムにより分析可能な量まで大量に精製し、質量分析装置により同定する方針で進めている。昨年度は、3,000匹のショウジョウバエでは同定ができなかったので、本年度は、30,000匹のポリ(ADP-リボース)分解酵素の欠失変異体のショウジョウバエを用いて、ポリ(ADP-リボース)に対する特異抗体をアフィニティーカラムにより精製後、アルカリ処理によりポリADP-リボシル化が外れて来たタンパク質候補を2次元電気泳動により分離して質量分析装置により解析したところ、目的タンパク質候補と考えられる14種のタンパク質が同定できた。この中から神経細胞死に関連が深いと考えられる、細胞質局在型のリンゴ酸脱水素酵素タンパク質について、大腸菌での発現を試みた。このために、ショウジョウバエの培養細胞S2からmRNAを調整し、PCRによりcDNAを増幅作製し、これを大腸菌BL21内でHisタグを付加した形で発現させた。発現させたタンパク質を精製することができたので、現在、in vitroにおけるポリADP-リボシル化反応を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(理由)交付申請書で記載した研究計画の7段階のうち6段階の半ばまで進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
交付申請書に記載した6段階を完結することを最優先する。すなわち目的タンパク質候補14種類の中での一つについてin vitroおよびin vivoにおけるポリADP-リボシル化を証明する予定で進めている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
交付申請書に記載した6段階とそれ以降を完結するために、消耗品、補助者への謝金などに研究費を使用する予定である。
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