2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23590378
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
小島 秀人 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (00225434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 博 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (00110560)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 遺伝子治療 / 膵島 / インスリン / 糖尿病 / 再生医療 |
Research Abstract |
[研究の具体的内容]糖尿病モデルマウスにおいて本来の臓器位置である膵臓内で膵島を再生させる目的から、膵管内に存在する前駆細胞を標的とする遺伝子治療ベクターを作成し、ベクター内に膵島の分化誘導因子と増殖因子遺伝子を組み込み治療する。平成23年度は以下の結果得た。1、膵管上皮を標的とするベクター作成のために、膵管上皮細胞を特異的に認識する7桁ペプチド配列の作成を試みた。ファージ・ディスプレイ・ライブラリーを使用して、バイオパンニングにより膵管細胞に選択的に結合できる7桁アミノ酸配列の採取を試みたが、膵管細胞のみの抽出が困難で、膵管特異的な配列の採取に至らず、現在も引き続き継続検討している。2、特異配列が得られなくても、静脈内投与と異なり、経膵管逆行性にカテーテルより遺伝子治療ベクターの注入により、膵島前駆細胞へと至れると考え、マウスにおける手術手技の確立を計った。空腹マウスを麻酔後開腹し、十二指腸切開、ファーター乳頭より、墨汁を含む生理食塩水100μlの注入し、その後石切開部の縫合を行い、マウスの生存を確認した。ただし、生存率は10%以下であり、生存率改善には手術時間の短縮が必要と考え手技の確立を試みている。3、1より、静脈内投与目的のペプチド発現ベクターの作成は継続中であるが、治療経路を経膵管的にした場合の通常のヘルパー依存型ベクターの作成は順次作成している。なお、再生膵島からのインスリン分泌評価のためのパッチクランプ用コンピュータの故障のため、今年度購入し、準備状況を改善させた。[本研究の意義]膵管特異的ペプチドの採取は理論的には不可能ではなく、今後も続ける必要がある。また、今回経膵管的な治療の準備段階として手術手技の確立を計れた点は重要であり、成功率の改善が治療開発の決め手になる。[本研究の重要性]本年度は目的達成からやや遅れ気味ではあるが、必要な準備は着実に行えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
バイオパンニングを用いた7桁ペプチド配列の採取を行ったが、現在までに膵管細胞に特異的な配列を採取できていない。この採取は静脈内へのベクター投与による組織特異的な遺伝子輸送を行う上で欠かせないものであることから、引き続き採取に努力する必要がある。このペプチド配列が取れて初めて遺伝子治療ベクターを作成することができることから、ベクター作成が遅れている。しかし、もう一つの方法である経膵管的な遺伝子治療は直接膵管上皮細胞に遺伝子を投与できることから、ペプチド配列が無くても膵島前駆細胞を標的とできることから、この方法を行うための手術手技はほぼ確立しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きバイオパンニングによるペプチド採取は継続し、標的ベクター作成の可能性は残しておく。また、経膵管的な治療による方法も同時に進めてゆく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初計画通りに遂行する。
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