2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23590378
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
小島 秀人 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (00225434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 博 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (00110560)
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Keywords | 遺伝子治療 / 膵島 / インスリン / 糖尿 / 再生医療 |
Research Abstract |
[研究の具体的内容]インスリン分泌が枯渇した糖尿病モデルマウスを用いて本来の臓器位置である膵臓内に膵島を再生させ、糖尿病を完治させる方法の開発を目的とする。膵管内の前駆細胞に対し、膵島の分化誘導因子と増殖因子を組込み遺伝子治療する。水溶性ナノダイヤモンドに8個のアルギニンからなる強力な細胞内輸送配列を接着して新しい人工ベクターシステムND-R8を作成した。ND-R8はζ電位が陽性を示し、陰性荷電を持つ黄色蛍光色素(YFP)を組込んだプラスミドと結合させ、遺伝子輸送能の検討を行った。経十二指腸からの膵管への極細カテーテルを用いた膵管内へのミクロ注入のアプローチ手術を行った。術後マウスの生存率がほぼ70%まで上昇した。また、蛍光色素YFPの発現が膵管の位置に一致して観察された。そこで、実際に強発現プロモータに誘導される膵島分化誘導因子であるPdx1遺伝子を組込んだプラスミドを作成し、ND-R8と静電結合させ遺伝子治療ベクターを作成した。ベクターを注入後、3週目にマウスにおいて、血糖値の変化、ならびに膵臓におけるPdx1とインスリンの発現を、遺伝子を組込んでいないコントロールベクターと比較観察した。血糖値は有意に低下し、インスリンの発現が上昇した。[本研究の意義]膵臓内での膵島再生のための人工ベクターとしてナノダイヤモンドベクター開発した。ウイルスベクターに比し安全性が高いナノダイヤモンドベクターは遺伝子治療を行う上で有用な治療手段であり、今後、様々な工夫を加えることにより臨床に使用できる手段へと進化させる努力が必要である。[本研究の重要性] ウイルスベクターから人工ベクターであるナノダイヤモンドベクターの作成に成功し、さらにそれを用いた遺伝子治療が可能であることを初めて明らかにした。今後、実際の治療に向けた検討に着手する。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Hyperglycemia induces abnormal gene expression in hematopoietic stem cells and their progeny in diabetic neuropathy.2014
Author(s)
Katagi M, Terashima T, Okano J, Urabe H, Nakae Y, Ogawa N, Udagawa J, Maegawa H, Matsumura K, Chan L, Kojima H.
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Journal Title
FEBS Lett.
Volume: 588
Pages: 1080-1086
DOI
Peer Reviewed
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