2013 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌におけるオートファジー関連因子の意義と癌化バイオマーカーとしての有用性
Project/Area Number |
23590395
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
瀧北 幹子 (鈴木 幹子) 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (90335167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茶野 徳宏 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (40346028)
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Keywords | tissue microarray / biomarker / autophagy / RB1CC1/FIP200 / p62/SQSTM1 / Nrf2 |
Research Abstract |
肺癌手術症例を含むTMA(tissue microarray)を用いてautophagyに関与するRB1CC1とp62の免疫染色を施行し、腫瘍細胞の細胞質および核における染色態度のスコアリングを行った。RB1CC1の核内発現は腫瘍抑制に関与していると考えられ、乳癌においてはその発現の増加が臨床的予後の良好なことを示唆する。しかし肺癌ではRB1CC1の核内発現率が低く腫瘍抑制的には機能しておらず、このことよりRB1CC1は組織依存性のバイオマーカーである可能性が示唆された。一方、RB1CC1の細胞質内発現はオートファジーの制御に必須と考えられている。肺癌ではRB1CC1が細胞質で発現しており、予後不良化と関連している可能性が考えられた。 次にautophagy障害細胞で蓄積するp62の発現を検討したところ、RB1CC1およびp62が共発現している群は他に比べて5年生存率は不良であった。p62の発現を陰性、弱陽性、強陽性に分けて評価したところ、p62強陽性群では5年生存率が最も不良となり、これにはautophagyの障害が関与している可能性が考えられた。しかし、p62陰性群よりもp62弱陽性群の方が5年生存率が良好であったため、p62の発現を抑制しRB1CC1の発現にも関与する別の因子が作用している可能性も示唆された。 肺癌に於いては論文報告にまでは至れなかったが、同様の呼吸器気道系腫瘍である口腔扁平上皮癌、頭頸部癌の解析に於いて、p62/SQSTM1の蓄積が放射線抵抗性と関連し予後不良を示唆するバイオマーカーであることを論文にて報告し得た。本内容は新聞各紙でも報道された。
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Research Products
(2 results)