2011 Fiscal Year Research-status Report
ヒスタミン産生因子とリウマチ関節炎との関連に関する研究
Project/Area Number |
23590417
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
石川 章夫 東京医科大学, 医学部, 助手 (80468652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高梨 正勝 東京医科大学, 医学部, 助教 (80312007)
須藤 カツ子 東京医科大学, 医学部, その他 (50126091)
上田 しのぶ 東京医科大学, 医学部, 助手 (00521874)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | HRF / 関節炎 |
Research Abstract |
ヒスタミン産生因子(HRF)のリウマチ関節炎への影響を調べるために、疾患モデルマウスの作成を試みた。即ち、Balb/cマウスにコラーゲン抗体を投与しマウスの関節に炎症を誘導し、リウマチモデルマウスの作成に成功した。このモデルマウスの病態を解析するために、血清を採取して生化学的な解析を行った。このモデルマウスの血清中にはIgEの産生が高まっていることを確認した。また、このモデルマウスでの血清中のHRFの発現変動を確認するために、作成した抗HRF抗体を用いてELISAでの検出系の確立を試みた。現段階ではELISAの検出系は検討中である。しかし、これまでにHRFに対するELISAでの検出法は無く、この方法が確立することによりリウマチ関節炎以外の炎症疾患でもHRFの計測が可能となり、HRFと様々な疾患との関連性を解明することが可能となる。HRFと炎症との関連性について培養細胞を用いて検討をするために、HRFのリコンビナントタンパク質の作成を行い、精製に成功した。HRFに影響を受ける細胞はマスト細胞と好塩基球が知られている。そこで、マスト細胞の培養を行うために、マウスの骨髄細胞を採取しIL3を用いて分化誘導を行うことにより、マスト細胞を得た。このマスト細胞にリコンビナントHRFを添加し、炎症反応のカスケード反応を検索した。マスト細胞は刺激を受けることにより、様々な炎症反応のケミカルメディエーターを産生することが知られている。そこでヒスタミンと同様な産生をするヘキソサミニダーゼの産生を確認することにより、HRFが炎症に関与するマスト細胞を刺激することが可能かどうか検討を行った。HRFの濃度依存的にヘキソサミニダーゼの産生が高まることから、HRFはマスト細胞を活性化させる結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HRFの炎症に対する関与をin vitroで確認することに成功した。また、HRF刺激後のカスケードを確認することが課題となる。さらに、抗HRF抗体によりこのカスケードが阻害出来るか検討が必要と考えている。リウマチ関節炎モデルマウスの作成は成功した。このマウスでのHRFの発現の検討が今後の課題であり、ELISAでの検出系の確立が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
リウマチ関節炎モデルマウスでのHRFの発現の確認と抗HRFによる炎症の阻害について、細胞ではHRFによる産生するケミカルメディエーターの検討と抗HRFによる阻害について検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
関節炎モデルマウスによる抗HRFによる阻害効果を検討するために、炎症を起こす抗体の購入とELISAを作成するため、抗HRFの抗体精製が必要となる。また、培養細胞を用いたケミカルメディエーターを調べるために、炎症に関与するELISAキットが必要となる。
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