2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23590432
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
渡邉 真理子 北里大学, 大学病院, その他 (90270701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀江 良一 北里大学, 医学部, 准教授 (80229228)
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Keywords | ホジキンリンパ腫 / 癌幹細胞 / ニッチ / 細胞分化 / 分子標的療法 |
Research Abstract |
本研究は「Hodgkin リンパ腫(HL) 細胞の分化とHodgkin, Reed-Sternberg(H-RS)細胞の形成の機序」についてHL 細胞を支える微小環境をも含め俯瞰的に明らかにし、得られた知見にもとづき、ニッチにおけるHL幹細胞の維持、そこからの分化とH-RS 細胞の形成という一連の分化のメカニズムを明らかにすることを目指している。FACSAriaを用いた実験によりHL 細胞株KMH2 およびL428 においてside population (SP分画) とその他の細胞集団であるnon-side population (non-SP分画)を同定すること確認した。この系を用いてHL 細胞株のSP 分画とnon-SP 分画をそれぞれソーティングし、それぞれの分画におけるmRNA 発現をマイクロアレイの系で解析を行った。SP 分画においてnon-SP 分画と比較して有意に発現が増加あるいは減少している分子を選び検討したところ、SP分画においてはnon-SP 分画と比較して、抗酸化ストレスに関わる分子群の活性化を認めた。これらの分子群の活性化機序と役割について、抗リン酸化抗体を用いたウエスタンブロットやレポータージーンアッセイなどを用いて検討した。さらにこれらの分子群の活性化を示す細胞をHLのリンパ節において免疫染色により検討したところ、より小型の細胞でかつCD30強発現細胞において認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に計画していた実験はほぼ完了し、今後の研究遂行に必要な基本的なデータを取得できたから。
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Strategy for Future Research Activity |
抗酸化ストレスに関わる分子群の活性化機序と役割について検討していく。これにもとづきニッチを構成する細胞群とHL細胞との相互関係を明らかにしていく。このとき正常幹細胞ニッチの構成に関わる細胞群のマーカーの発現について検討する。以上の実験により、HL細胞のニッチと正常細胞のニッチの差、さらにはHL細胞の分化に伴う「幹細胞あるいはそれに近い群と分化の途中にある群、さらにはこれまで特徴的とされているH-RS細胞が存在する細胞環境」の変化について明らかにしていく。H-RS細胞の形成機序とそれに関わる分子群の同定についても検討していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計画に従い、物品を中心に論文発表などにも使用していく。
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Research Products
(3 results)