2011 Fiscal Year Research-status Report
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23590493
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| Research Institution | Kyorin University |
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Principal Investigator |
小林 富美恵 杏林大学, 医学部, 教授 (20118889)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新倉 保 杏林大学, 医学部, 助教 (30407019)
井上 信一 杏林大学, 医学部, 助教 (20466030)
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| Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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| Keywords | PAM / マウスモデル / 病態解析 / 遺伝子改変原虫 |
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| Research Abstract |
本年度はマウスマラリア原虫を用いて妊娠マラリアモデルを樹立し、妊娠マラリアモデルにおける母体・胎児の病態と胎盤病理について解析することを目的とした。妊娠マラリアモデルの樹立にあたり、まず、感染させる原虫の株および感染させる時期について検討を行った。その結果、妊娠初期 (妊娠後0-2日目) に自然治癒型原虫Plasmodium berghei (Pb) XATを感染させたマウスは、妊娠後期 (妊娠後16-19日目) において原虫血症の増悪および貧血を示すことを見出した。さらに、妊娠初期にPb XATを感染させたマウスでは、死産仔が高率に認められた。妊娠マラリアにおいて、死産や胎児発育遅延は胎盤病理に起因することから、妊娠初期にPb XATを感染させたマウスの胎盤について解析した。その結果、妊娠後期の胎盤に多数の感染赤血球の蓄積と胎盤絨毛構造の異常が認められた。妊娠初期にPb XATを感染させたマウスは、妊娠後期においてヒト妊娠マラリアの典型的な病態を示した。この結果から、本モデルは妊娠マラリアの病態に関わる新たな宿主因子を明らかにするためのモデルとして有用であると考えられる。現在、作出したモデルを用いて妊娠マラリアにおける宿主免疫応答を解析している。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.マウスマラリア原虫の自然治癒型原虫Pb XATを妊娠初期のマウスに感染させることで、妊娠マラリアの病態に関わる新たな宿主因子を明らかにするための新規妊娠マラリアモデルを樹立できた。2.妊娠マラリアモデルは、妊娠後期 (妊娠後16-19日目) において原虫血症の増悪および貧血、また胎盤に多数の感染赤血球の蓄積と胎盤絨毛構造の異常を示し、結果として死産仔が高率に認められることを明らかにできた。3.樹立した新規妊娠マラリアモデルの自然治癒型原虫Pb XATに対する抗体量について解析したところ、妊娠マウスの自然治癒型原虫特異的抗体は非妊娠マウスと比較して有意に低下していた。この結果から妊娠後期における原虫血症の増悪は、妊娠による免疫抑制が関与していることと推察することができた。4.緑色蛍光タンパク質を発現する自然治癒型原虫Pb XATを作出した。この成果により、妊娠マラリアにおける宿主内の原虫の局在を明らかにすることが可能となった。
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| Strategy for Future Research Activity |
1.妊娠マラリアにおける原虫の宿主内での局在は、母体・胎児の病態と胎盤病理を理解するための重要な情報となる。そこで、作出した緑色蛍光タンパク質発現Pb XATを用いて、感染後の母体、胎児および胎盤における原虫の局在を詳細に解析する。解析後、病態発症時期などを推測し、原虫が局在する組織の構造変化や組織内での免疫応答・炎症反応について、さらに解析を進める予定である。2.妊娠マラリアにおいて、マラリア原虫に対する免疫を有するヒトと有しないヒトでは病態が異なる。平成23年度はマラリア原虫に対する免疫を有しないマウスを用いて妊娠マラリアモデルを樹立したが、平成24年度はマラリア原虫に対する免疫を有するマウスを用いて、新規に妊娠マラリアモデルの樹立を試みる予定である。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
妊娠マラリアを解析するためのマウスと、in vivoで原虫が局在する組織内での免疫応答・炎症反応について解析するための抗体・試薬、in vitroで原虫が局在する組織内での免疫応答・炎症反応について解析するための抗体・試薬および培養器具の購入を計画している。
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