2012 Fiscal Year Research-status Report
EBウイルスの新しい潜伏感染遺伝子の腫瘍化分子機構の解明
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23590534
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉山 裕規 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (10253147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
地主 将久 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (40318085)
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Keywords | ウイルス / 癌 |
Research Abstract |
EBウイルス(EBV)はヒトの腫瘍の原因となるヘルペスウイルスである。EBV持続感染細胞よりEBV関連腫瘍が生じることより、持続感染細胞で発現するEBV潜伏感染遺伝子が腫瘍の形成と腫瘍形質の維持に重要である。申請者らは、EBVのBNLF2aおよび BNLF2bが新しい潜伏感染遺伝子であることを発見した。両遺伝子のダブルノックアウトEBVを作製し、B細胞をトランスフォームしたところ、野生型EBVでトランスフォームした細胞に較べ、増殖速度が低下した。BNLF2aとBNLF2b遺伝子のいずれか一方、あるいは両方が、EBVによる細胞腫瘍化活性の一端を担っていると考えられた。 BNLF2aとBNLF2bのmRNAは、少なくとも3つのプロモーターによって発現しており、一部はLMP1と同一のmRNAを用いていることが明らかになった。定量的RT-PCRを用いて、BNLF2遺伝子群とLMP1遺伝子のmRNAレベルを、EBV潜伏感染細胞間で測定した。その結果、I型潜伏感染細胞では、BNLF2遺伝子群がLMP1遺伝子よりも多く発現していることが明らかとなった。しかし、BNLF2遺伝子群の発現量については、I型に較べて、III型潜伏感染細胞の方が多いことが示された。 また、昨年度の研究によりBNLF2bは、アポトーシス抑制に働くと考えられたことより、臨床検体を用いた発現解析も行った。NK/Tリンパ腫由来の細胞4種類と慢性活動性EBV感染症6症例の臨床検体材料を用いて、BNLF2aとBNLF2bが発現していることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
BNLF2bのモノクローナル抗体を作製したが、抗体の反応性が強くないため、低分子量のBNLF2b抗原のイムノブロット反応の至適化に苦労しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
BNLF2bのN末端にMycタグをC末端に3xFLAGタグを同時に付加した発現ベクターを作製し、Akata(-)細胞に発現させ、特異性と感度の高いMycまたはFLAG抗体を用い、イムノブロットを行う。二つのタグに対する抗体を用いて2回免疫沈降を行い、非特異反応を極力低減してBNLF2b結合タンパク質を分離する。分離したタンパク質はSDS-PAGEで分離後、バンドを切り出して、質量分析に供する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
6月1-5日にトルコ共和国イスタンブールで開催される第6回国際上咽頭癌研究会に参加し、これまでの研究成果を発表する。集会参加費用として、当初予定の8万円に、昨年度の残額から19万円を加え、27万円を予定している。
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[Journal Article] Dendritic cell-derived TIM-3 is a universal repressor of nucleic acids-mediated antitumor innate immune responses.2012
Author(s)
Chiba S, Baghdadi M, Akiba H, Kinoshita I, Yoshiyama H, Hirashima M, Dosaka-Akita H, Uede T, Takaoka A, Yagita H, Jinushi M
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Journal Title
Nature Immunology
Volume: 13
Pages: 832-842
DOI
Peer Reviewed
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