2013 Fiscal Year Annual Research Report
EBウイルスの新しい潜伏感染遺伝子の腫瘍化分子機構の解明
Project/Area Number |
23590534
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
吉山 裕規 島根大学, 医学部, 教授 (10253147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
地主 将久 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (40318085)
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Keywords | ウイルス / トランスフォーム |
Research Abstract |
EBウイルス(EBV)はヒトの腫瘍の原因となるヘルペスウイルスである。EBV持続感染細胞よりEBV関連腫瘍が生じることより、持続感染細胞で発現するEBV潜伏感染遺伝子が腫瘍の形成と腫瘍形質の維持に重要である。申請者らは、EBVのBNLF2aおよび BNLF2bが新しい 潜伏感染遺伝子であることを発見した。両遺伝子のダブルノックアウトEBVを作製し、B細胞をトランスフォームしたところ、野生型EBVでトランスフォームした細胞に較べ、増殖速度が低下した。BNLF2aとBNLF2b遺伝子のいずれか一方、あるいは両方が、EBVによる細胞腫瘍化活性の一端を担っていると考えられた。 BNLF2aとBNLF2bのmRNAは一つのシストロンを形成し、同じ転写レベルであることがわかった。また、3つのプロモーターがBNLF2aとBNLF2bを発現できることもわかった。発現プロモーターのうち2つはLMP1のmRNAも発現できることより、定量的RT-PCRを用いて、BNLF2遺伝子群とLMP1遺伝子のmRNAレベルを、EBV潜伏感染細胞間で測定した。その結果、I型潜伏感染細胞で、BNLF2遺伝子群がLMP1遺伝子よりも相対的に多く発現しており、III型潜伏感染細胞ではLMP1遺伝子が多く発現していることが明らかとなった。しかし、BNLF2遺伝子群の発現量そのものは、I型に較べて、III型潜伏感染細胞の方が多いことが示された。 BNLF2aは、MHC I組織適合抗原の提示機能を抑制することで、樹状細胞による感染リンパ球の認識排除を免れる結果、トランスフォームリンパ球の形成を促すことがわかった。また、BNLF2bは、抗がん剤を用いたアポトーシス誘導の実験において、NFkBの活性化を介してアポトーシス抵抗性を示すことが明らかになった。
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[Journal Article] TIM-4 glycoprotein-mediated degradation of dying tumor cells by autophagy leads to reduced antigen presentation and increased immune tolerance2013
Author(s)
Baghdadi M, Yoneda A, Yamashina T, Nagao H, Komohara Y, Nagai S, Akiba H, Foretz M, Yoshiyama H, Kinoshita I, Dosaka-Akita H, Takeya M, Viollet B, Yagita H, Jinushi M
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Journal Title
Immunity
Volume: 39
Pages: 1070-1081
DOI
Peer Reviewed
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