2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23590564
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高村 祥子 (赤司 祥子) 東京大学, 医科学研究所, 助教 (00325599)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | MD-1 / TLR |
Research Abstract |
本年度は以下の研究計画各項目に則して行った。(1.脂質代謝・運搬に対するMD-1の役割 2.エンドトキシンショックにおけるMD-1の重要性 3.MD-1と自己免疫疾患との関連 4.脂質会合分子MD分子群の機能解析 5.脂質会合機能とTLR応答および抗体産生機能との関与) 各項目に関する実績概要は以下のとおりである。1.作製しえた数種類の抗MD-1モノクローナル抗体を用いて、血清中の濃度を測るためのELISAシステムを構築した。このことにより感染時、発症時のMD-1 の血中濃度を測定することができるようになった。血中の脂質濃度に関しては、作製した抗MD-1抗体を用いて脂質のMS解析などを共同研究により進めている。2.RP105/MD-1複合体と肥満との関与も最近報告されていることから、エンドトキシンショックに関しては体重差・個体差なども複雑に関与してくるため、慎重に検討を進めている。3.自己免疫疾患モデルマウスとMD-1KOマウスとをかけあわせたマウスをふやして、MD-1の存在が自己免疫疾患発症に与える影響を検討中である。リン脂質に対する抗体価に関してMD-1KO マウスを掛け合わせた群とワイルドマウスをかけあわせた群とで差が見いだされ、現在そのメカニズムを検討中である。4.MD-1/MD-2ダブルKOマウスを作製したが、in vitroのレベルでは両者欠失により初めて見えるフェノタイプは見つからなかった。現在in vivo解析を進めている。5.に関してはヒトMD-1 抗体作製のための免疫源は樹立できたので、さらに抗体作成を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究はMD-1 の生体内での機能を広く明らかにすることを主目的としている。このためその機能解析のためにツールとして重要な抗MD-1モノクローナル抗体は欠かせない。われわれは作製しえた数種類の抗MD-1モノクローナル抗体を用いて、血清中の濃度を測るためのELISAシステムを構築した。このことにより感染時、発症時のMD-1 の血中濃度を測定することができるようになった。またこの抗体を用いることで、生体内でのMD-1とそれと挙動をともにする脂質の解析を行うことができるようになった。またマウスのほうも掛け合わせが終了したものやご供与いただいたものがそろい、vivoレベルでも解析が可能となってきた。これらの点からは現時点ではほぼ順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
以下の研究計画5項目に則して今後も進めていく。1.脂質代謝・運搬に対するMD-1の役割 2.エンドトキシンショックにおけるMD-1の重要性 3.MD-1と自己免疫疾患との関連 4.脂質会合分子MD分子群の機能解析5.脂質会合機能とTLR応答および抗体産生機能との関与マウスや、精製MD-1に関しては共同研究先をすでに確保しており、供与許可も得られ入手中である。ツールとして重要なMD-1抗体に関して、現在マウスモノクローナル抗体はすでに作製に成功しており、必要量はいくらでも供給できる準備がある。すでに実験系を確立しており、MD-1のendogeneousな発現をFACS, ウエスタン、サンドイッチELISA解析などで調べられるようになっている。なお自己免疫疾患モデルマウスとRPKO, MD-1KOマウスとのかけあわせ・タイピングも終了し、解析を始められる状況になっている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
おもにマウスのvivoレベルでの解析に力をいれていく。このためマウスの臓器組織染色作製費、脂質や脂質シグナル抑制物質などの購入、などに充てていく。
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Research Products
(8 results)