2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23590564
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
高村 祥子 (赤司 祥子) 愛知医科大学, 医学部, 教授 (00325599)
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Keywords | MD-1 / RP105 / 脂質レセプター |
Research Abstract |
当研究課題での研究計画は以下のとおりである。 1.脂質代謝・運搬に対するMD-1の役割 2.エンドトキシンショックにおけるMD-1の重要性 3.MD-1と自己免疫疾患との関連 4.脂質会合分子MD分子群の機能解析 5 脂質会合機能とTLR応答および抗体産生機能との関与 本年度はこのうち主に1.の発展としてリゾリン脂質受容体を介する反応と免疫応答に関して結果を得た。MD-1がリゾリン脂質とも結合することを見出したことや、リゾリン脂質受容体抑制剤の中でB細胞に影響するものがあることなどから、リゾリン脂質受容体のコンディショナルノックアウトマウスを入手し解析を行った。このマウスではワイルドタイプに比べB細胞の活性化や増殖反応が低下していた。ノックアウトマウス由来のB細胞では成熟B細胞が減少し未熟B細胞が増加しており、B細胞の分化成熟にも差を認めた。また脂質受容体阻害剤でもB細胞受容体を介する活性化が抑制された。さらにそれぞれの抗体を用いた免疫沈降により、この脂質受容体とB細胞受容体とが会合していることを見出した。以上より脂質受容体を介するシグナルはB細胞受容体を介する増殖・活性化・成熟に重要であることが今回判明した(2013年免疫学会にて発表)。 また昨年2.の計画の発展として、自己免疫疾患モデルマウスとMD-1欠失マウスを掛け合わせたマウスでは、ワイルドタイプ掛け合わせ群にくらべリンパ腫大・脾腫等の症状の差を認めた。このことからMD-1がリゾリン脂質と結合することや、前述の脂質受容体によるB細胞応答制御と、リンパ腫増大とが関係あるかどうか、さらに検討を進めていく(研究期間延長申請済み)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
MD-1が脂質をポケットに抱合することの意義がこれまでわからなかったが、MD-1がリゾリン脂質とも結合すること、リゾリン脂質受容体がB細胞応答に重要であるという結果をコンディショナルノックアウトマウスから得られたことから、RP105/MD-1によるB細胞活性化にもリゾリン脂質受容体が関与する可能性が高まってきた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年2.の計画の発展として、自己免疫疾患モデルマウスとMD-1欠失マウスを掛け合わせたマウスでは、ワイルドタイプ掛け合わせ群に比べリンパ腫大・脾腫等の症状の差を認めていた。このことからMD-1がリゾリン脂質と結合することや、前述の脂質受容体によるB細胞応答制御と、リンパ腫増大とが関係あるかどうか、さらに検討を進めていく(研究期間延長申請済み)。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度中に完了予定であったMD分子の免疫応答制御機構の結果が発展し、腫瘍化との関係も含めた解析が必要となってきたため、実験研究計画の変更をせざるを得なかった。また、腫瘍化との関係も含めた解析手法にあたっては、当初計画していたものとは異なる他の見解が出つつあり、研究結果の広がりを含めて、研究計画を延長し追加実験の必要が生じてきたこと等の理由から、未使用額が発生した。 この為未使用額は腫瘍化との関係も含めた解析に必要な消耗品費および成果発表に必要な経費に充てることとしたい。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Noncanonical inflammasome activation by intracellular LPS independent of TLR4.2013
Author(s)
Kayagaki N, Wong MT, Stowe IB, Ramani SR, Gonzalez LC, Akashi-Takamura S, Miyake K, Zhang J, Lee WP, Muszyński A, Forsberg LS, Carlson RW, Dixit VM.
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Journal Title
Science.
Volume: 341
Pages: 1246-9
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] S1P1 IS REQUIRED FOR B CELL RECEPTOR- AND TOLL-LIKE RECEPTOR-MEDIATED
Author(s)
Sachiko Akashi-Takamura1, Natsuko Yamakawa2, Natsuko Tanimura1, Takuma Shibata1, Takeaki Amiya3,4, Yosuke Kurashima3,4, Jun Kunisawa3 Hiroshi Kiyono4, Kazuhiro Suzuki5, Junichi Kikuta6, Masaru Ishii6, Richard L.Proia7, Yasuo Okamoto8, Yoh Takuwa8, and Kensuke Miyake1
Organizer
エンドトキシン・自然免疫研究会
Place of Presentation
滋賀県大津市
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[Presentation] S1P1 is required for B cell activation by B cell receptor or Toll-like receptor
Author(s)
Sachiko Akashi-Takamura, Natsuko Yamakawa, Natsuko Tanimura, Takuma Shibata, Takeaki Amiya, Yosuke Kurashima, Jun Kunisawa, Hiroshi Kiyono, Kazuhiro Suzuki, Junichi Kikuta, Masaru Ishii, Richard L.Proia, Yoh Takuwa, and Kensuke Miyake
Organizer
日本免疫学会総会
Place of Presentation
千葉県(幕張メッセ)
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