2013 Fiscal Year Annual Research Report
長期療養高齢者への看護診断適用とケア計画策定支援システムの構築:情報端末を用いて
Project/Area Number |
23590611
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
森 敏 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40200365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥津 文子 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 教授 (10314270)
畑中 裕司 滋賀県立大学, 工学部, 准教授 (00353277)
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Keywords | 高齢者ケア / 療養型施設 / 看護診断 / アセスメント / コンピュータ / プログラム / タブレット |
Research Abstract |
本格的な高齢時代に入り、「認知症」「寝たきり」など障害をもつ高齢者の莫大な介護負担が社会問題となっている。NANDA-I看護診断は、投薬などの医療行為を施さずに、看護のみで改善可能な看護課題(看護の対象となる事象)を抽出するツールである。今回、この看護診断を療養型施設に入所中の高齢者に適用し、その状態を改善するコンピュータ・システムを構築した。 研究は次の順序で実施した。(1) 「長期療養高齢者版の看護診断」の作成:NANDA-I看護診断(2009-2011)の診断ラベルは200項目を超えているが、この中から療養型施設で使用可能な46診断ラベルを選定した。(2) アセスメントリストの作成:看護診断は、対象者に看護診断指標(徴候)が存在するかどうかを質問および観察で見出すことにより行われる。そこで、診断指標に、関連因子、危険因子を加えたアセスメントリストを作成した。(3)看護診断プログラムの作成:アセスメント項目の選定状況により、看護診断を自動選定するコンピュータ・プログラムを作成した。本プログラムは、カード型データベースソフトのFileMaker Pro 12で作成した。(4)タブレットPC(iPad)とホストコンピュータを無線LANで接続:iPadにホスト・コンピュータ側のファイルにアクセスするためのソフトであるFileMaker Goをインストールし、ローカルなワイヤレスネットワークを介して、ホストコンピュータと接続した。これにより、アセスメント項目の入力、転送、処理、データベース化が可能になり、個々の高齢者の課題抽出のみならず経時変化も追跡可能となった。(5)実地試行および動作チェック:介護老人保健施設での動作確認を行い、不具合の修正を行った。 上記により、長期療養型施設に入所している高齢者のアセスメント(看護診断)が簡易化・迅速化された。
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