2014 Fiscal Year Annual Research Report
医療従事者のための模擬患者参加型コミュニケーション学習の構築に関する研究
Project/Area Number |
23590627
|
Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
大嶋 耐之 金城学院大学, 薬学部, 教授 (20213697)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
Keywords | コミュニケーション / 薬剤師教育 / 模擬患者 / RIAS |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度までに、薬剤師の現状を踏まえた上で、薬剤師が“患者中心の医療”の実現に貢献できる、より質の高いコミュニケーション能力を身に付けるため、DIPEx-Japan「健康と病いの語りデータベース(DB)」に集約された実際の患者の語りから新たなSP参加型学習プログラムを構築し、そのプログラムを実施した際の効果や影響について検討を行った。本プログラムを用いて薬剤師114名を対象に研修を実施した結果、薬剤師の意識と行動に関する変容調査では、共に学習前-学習1ヶ月後の分散分析およびStudent's t-testによる比較において有意な向上が認められた。これらのことから、本プログラムは薬剤師の意識が向上するのみならず、行動変容まで影響を及ぼした学習プログラムであると考えられる。 この検証をさらに具体的にするために、医療現場での医師-患者間の会話を数量的に分析するために開発されたThe Roter Method of Interaction Process Analysis System(RIAS)の手法を用いて、これまでほとんど客観的、量的に評価されることのなかった薬剤師のコミュニケーションの特徴や問題点について、患者の求めるコミュニケーションの観点から、いくつかの特徴を明らかとすることができた。薬剤師とSPとの会話57事例を分析した結果、薬剤師の閉鎖型質問に偏った情報収集の傾向や、患者のニーズを引き出すためのライフスタイルや心理社会的な話題が少なく医学的情報提供に主眼を置いた薬剤師主導の会話が多い点、さらに対象患者が医療を提供する際に十分な配慮を必要とする患者(例えばがん患者)に対して、薬剤師の開放型質問が有意に増加した点など、薬剤師のコミュニケーションの特徴、問題点を客観的に明示できたものといえる。
|
Research Products
(3 results)