2011 Fiscal Year Research-status Report
高感度TSHレセプター抗体測定法を用いたバセドウ病の発症予防に関する研究
Project/Area Number |
23590671
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
日高 洋 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30243231)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | バセドウ病 / TSHレセプター抗体 |
Research Abstract |
我々は、花粉症や出産が誘因となり、バセドウ病が発症したり、増悪したりすることを報告してきた。花粉症や出産によるTh2の活性化が原因と考えている。しかし従来のTSHレセプター抗体(TRAb)測定法では、バセドウ病患者の末梢血単核球培養上清中のTRAbを測定することができなかったので、メカニズムを明らかに出来ていない。そこで本研究では、高感度TRAb測定法用いて、培養上清中のTRAb濃度を測定し、同時にサイトカイン濃度も調べ、その相関を調べることにより、バセドウ病が発症・増悪するメカニズムを明らかにすることを目的にしている。本年度は、倫理委員会の承認を得た後、研究への協力について同意の得られたバセドウ病患者の末梢血単核球をFicoll-Paque Plusで回収し、無血清液体培養液X-VIVO 10 medium中で2x106 cells/mlに調整し、(1)PMAとionomycinで刺激、(2)PWMで刺激、(3)刺激物質なし、の3通りの方法で7日間培養し、培養上清を収集した。検体の収集は順調に進んでおり、来年度の早い時期に高感度法でのTRAb測定を行う。サイトカイン濃度測定に関しては、34種類のヒトTh1/Th2/Th17細胞関連因子を同時に調べることができるとされるRayBio Th1/Th2/Th17 Antibody arrayを検討したが、当施設で保有している汎用のレーザースキャナーでは測定困難であることが明らかになった。したがって来年度、サイトカイン濃度に関してはELISAで測定する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
培養上清の収集が順調に進んでおり、来年度の早い時期に高感度法でのTRAb測定が可能であるから。
|
Strategy for Future Research Activity |
来年度はサイトカイン濃度をELISAで測定する。さらに、TRAb産生を抑制する可能性のある薬物について検討する予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
TSHレセプター抗体測定試薬、サイトカイン測定試薬、リンパ球培養関連試薬などを購入予定である。また、内分泌関連の学会、臨床検査関連の学会に出席し、最新の情報を収集する予定である。
|
Research Products
(3 results)