2011 Fiscal Year Research-status Report
自己抗体の発現パターンによる骨髄不全症候群の病型分類
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23590681
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
栗林 景晶 札幌医科大学, 医学部, 講師 (50381257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 直樹 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10158644)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 再生不良性貧血 / 骨髄異形成症候群 / 骨髄不全症候群 / 自己抗体 / 診断マーカー / 病型分類 |
Research Abstract |
「研究の目的」再生不良性貧血(AA)や骨髄異形成症候群(MDS)は、汎血球減少症を呈する症候群である。AAと低形成MDSの鑑別は、血球形態、遺伝子異常や芽球の有無により行われているが、困難なことが少なくない。AAとMDSの鑑別が可能な血清マーカーの開発を、目指している。「研究の成果」AA患者28名と、対照として健常者21名の血清を用いた。まず、AAの免疫異常が、造血細胞(K562)と造血支持細胞(hTS-5)のどちらを標的としているか、フローサイトメーターで解析した。AA患者のK562細胞とhTS-5細胞に対する自己抗体保有率は、それぞれ43.5%と21.7%であった。すなわち、AAの免疫異常は、主に血球細胞を標的としているものと考えられた。次に、K562細胞のcDNAライブライーを作製し、AAにおける免疫異常の標的分子を、SEREX法で同定した。その結果、CLIC1、HSPB11、NHP2L1、RAG1AP1、RPL41、RPS27、snRNP-FとSRA-RNABPの8分子が同定された。これら8分子の、K562細胞とhTS-5細胞での発現程度をRT-PCR法で調べたところ、全ての分子がK562細胞でより強かった。さらに、AA患者のSEREX抗原に対する自己抗体保有率をELISAで解析した。その結果、CLIC1、HSPB11、NHP2L1、RAG1AP1、RPL41、RPS27、snRNP-FとSRA-RNABPに対する自己抗体保有率は、それぞれ、32.1%、39.3%、7.1%、21.4%、28.6%、50.0%、21.4%および7.1%と、RPS27で最も高かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初、平成23年度は自己抗体を発現しているAA患者を選別し、その抗体が認識する抗原をSEREX法で同定する予定でした。当研究室では、これまでSEREX法の経験がなかったことから、平成23年度を以上の計画で費やすであろうと予想しておりました。予想に反し、平成23年度内に抗原を同定できたため、平成24年度に行う予定であった計画を、平成23年度内に開始することが可能となりました。
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Strategy for Future Research Activity |
AAで保有率が高いことを確認できた4種類の自己抗体(抗CLIC1抗体、抗HSPB11抗体、抗RPL41抗体、抗RPS27抗体)のMDSにおける発現程度を調べ、AAとMDSの鑑別マーカーとなり得るか否か、結論づける予定です。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記を調べるため、ELISAアッセイに用いる蛋白関連試薬、細胞培養試薬、遺伝子関連試薬に使用する予定です。
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Research Products
(4 results)