2011 Fiscal Year Research-status Report
ベトナムにおける母乳中ダイオキシン濃度とステロイドホルモンの関連
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23590735
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
岡本 理恵 金沢大学, 保健学系, 准教授 (50303285)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 環境保健 / ダイオキシン / 健康被害 |
Research Abstract |
本研究の目的は、外因性内分泌攪乱化学物質としてのダイオキシン類の健康影響について、ベトナムの枯葉剤汚染地域(hotspot)と非汚染地域の20歳から30歳の母親と第1子各100組を対象とし、第1子の発達と母親の母乳中ダイオキシン濃度、唾液中ステロイドホルモンとの関連を明らかにすることである。当年度調査は8月6日から8月16日の期間に調査を実施した。調査実施前には、ベトナム側のカウンターパートであるハノイ医科大学10-80委員会が、各地区の人民委員会担当者、地区クリニック担当者と連絡を取り対象者を選出、対象者への調査依頼を行った。また、研究者間で調査場所、スタッフ人員、調査物品の準備、分析試料の保管と輸送方法についての調整を行った。調査地域は枯葉剤撒布地区であるベトナム南部のDong Nai省 Bien Hoa地区および、対照地区であるベトナム北部Ha Nam省Kim Bang地区とした。調査対象者は対象地区から抽出した20歳から30歳の母親とその第1子(生後4週から16週)の各60組とし、最終的にBien Hoa地区では58組、Kim Bang地区では55組の母子に対し調査を実施することが出来た。当初の研究計画では、枯葉剤汚染地区と対照地区の対象者は各100組としていたが、申請額よりも減額となったため、対象者数の規模を縮小せざるを得なかった。しかし、次年度に予定していた対照地区における調査も同時に実施することが出来た。採取試料は各地区クリニックの冷凍庫にて-70℃で保管し研究代表者がドライアイスを用い日本へ空輸することが出来た。現在、ダイオキシン類については連携研究者の中川が高分解能のGC-MAS装置を用い測定を開始している。ステロイドホルモンについては、研究協力者の本間らが、液体クロマトグラフ/タンデム質量分析装置(LC/MS/MS)を用いて測定を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分析に関わる予算の関係上、研究計画当初のサンプル数を縮小せざるを得なかったが、枯葉剤撒布地域と共に、対照地域の調査を実施することが出来、当初2年で実施する計画であった現地調査を計画1年目で終了することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度中に、ダイオキシン、ステロイドホルモンのすべての測定の終了を目指す。 25年度は、測定データの解析を終えて学会等での発表、論文の作成を行い、結果を公表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度研究費はそのほとんどをダイオキシン、ステロイドホルモンの分析費用に充てる。
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