2012 Fiscal Year Research-status Report
ビスフェノールAの健康影響評価のための疫学調査研究
Project/Area Number |
23590736
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
津田 洋子 信州大学, 医学部, 助手 (80512904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野見山 哲生 信州大学, 医学部, 教授 (70286441)
塚原 照臣 信州大学, 医学部, 講師 (50377652)
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Keywords | ビスフェノールA / 疫学 / 生物学的ばく露指標 |
Research Abstract |
ビスフェノールAは白色個体の化学物質であり、ポリカーボネート樹脂の原料として用いられる。ビスフェノールAの職業性ばく露作業者(男性)への生体影響は卵胞刺激ホルモンの減少と性機能障害に関する報告が近年に同一グループから数例みられるだけで、許容濃度は刊行されていないのが現状である。 ビスフェノールAは体内でグルクロン抱合体に代謝され、尿中に排泄されるが、生物学的モニタリング手法は未確立であり、生物学的許容値も未設定である。 本研究では、ビスフェノールA取扱い作業者のばく露濃度、血液および尿中代謝物測定を行い、生物学的モニタリング手法を確立するとともに生物学的ばく露指標を明確にすることを目的としている。また、健康影響評価を行い、ばく露量-反応関係を得ることも目的とするる。このことにより、ビスフェノールA取扱い作業者の許容曝露限界値設定に寄与することとができると考えられる。 平成23および24年度にはばく露作業者と非ばく露作業者の過去数年間のレセプトを調査することにより、ビスフェノールAばく露作業者と発症する疾病の関連性を調査解析することにこと、ビスフェノールA取扱い作業者のビスフェノールA個人ばく露濃度測定を実施することを計画していたが、調査対象事業所との調整に時間がかかったために、実施にまで至らなかった。 ビスフェノールA個人ばく露濃度測定方法および尿中代謝物と未代謝物測定は検討段階であり平成25年度も引き続き検討を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度はビスフェノーA取扱い企業との調査に向けた打ち合わせを実施した。 調査計画時よりも産業場面および一般環境中の化学物質に対する意識が、社員の間で向上してきており、調査開始までには更なる企業内調整が必要となった。 そのため、平成24年度の実施計画であった、レセプト調査、ビスフェノールA取扱い作業者のばく露調査実施が出来なかっことから、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
調査計画に従い、ビスフェノールAばく露作業者のと非ばく露作業者の過去数年間のレセプトを調査することにより、ビスフェノールAばく露作業と発症する疾病の関連性を調査、解析する。 また、ビスフェノールA取扱い作業者のばく露濃度および生物学的モニタリング測定を実施する。すなわち、グラスファイバーろ紙を用いたビスフェノールAの時間加重平均濃度即えいおよび共存する他の化学物質の有無とばく露濃度を測定する。 更に、ビスフェノールAばく露の血中および尿中代謝物濃度とみ代謝物濃度を測定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の未使用額は、ばく露調査等が実施できなかった為であり、未使用額を含めて、平成25年度には下記の通り使用を計画している。 本研究を遂行するために、データ入力費用およびインターネットに接続されていない保存媒体費用に使用する。また、ビスフェノールA取扱い作業者の個人ばく露濃度測定および分析に係る物品・人件費・疫学調査への移動費用等に使用する。
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