2014 Fiscal Year Annual Research Report
ビスフェノールAの健康影響評価のための疫学調査研究
Project/Area Number |
23590736
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
津田 洋子 信州大学, 学術研究院医学系, 助手 (80512904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野見山 哲生 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (70286441)
塚原 照臣 信州大学, 学術研究院医学系, 講師 (50377652)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | ビスフェノールA / 疫学 / 生物学的ばく露指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
ビスフェノールAは白色個体の化学物質であり、ポリカーボネート樹脂やエポキシ樹脂の原材料として用いられている。ビスフェノールAの職業性ばく露作業者(男性)への生体影響は卵胞刺激ホルモンの減少と性機能障害に関する報告が近年見られているが、同一研究グループが行った数例のみであり、許容濃度は未設定である。 研究期間全体では、尿中代謝産物の測定方法の確立とビスフェノールAを含む原材料を取り扱う作業者の疫学調査(血液検査および尿検査、尿中代謝産物の測定、等)を実施した。2014年度は主に疫学調査を実施した。 尿中ビスフェノールAは、βグルクロニダーゼでグルクロン抱合体を遊離させ、RP18カートリッジで分離したのちジエチルエーテルで脱着し、BSTFA(N,O-ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド)およびTMCS(トリメチルクロロシラン)でトリメチルシリル化し、ガスクロマトグラフ質量分析計で分析した。 疫学調査は、ビスフェノールAを原材料とするポリカーボネート樹脂もしくは塗料等を取り扱う男性作業者25名を対象とした。対象者の年齢は39.2±12.1(平均±標準偏差)(21-62:最小値-最大値)歳だった。血液検査の結果(n=22)卵胞刺激ホルモン測定値は5.9±4.8(1.9-22.2)mIU/ml、黄体形成ホルモン測定値は5.2±3.5(1.2-18.4)mIU/ml、テストステロン測定値は4.9±1.5(2.5-8.7)ng/mlだった。尿中ビスフェノールA濃度は作業前4.0±1.4(2.4-7.8)μg/l、作業後5.0±1.8(2.5-9.4)μg/lだった。IIEF5(国際勃起機能スコア)の合計得点(n=24)は14.9±7.5(3.0-25.0)だった。
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