2011 Fiscal Year Research-status Report
睡眠障害とうつ病、職業性ストレスに関する製造業従業員の3年間の縦断調査
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23590737
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
榊原 久孝 名古屋大学, 医学部, 教授 (80153873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西谷 直子 椙山女学園大学, 看護学部, 准教授 (10587009)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 国外情報交流 |
Research Abstract |
職場におけるメンタルヘルス対策、特にうつ病対策が重要課題となっている。睡眠障害はうつ病と密接な関連があるが、ほとんどが横断調査のため、睡眠障害がうつ病発症の原因(危険因子)であるか、またはうつ病の随伴症状なのか、明確になっていない。今回従業員約2,000名の製造業の企業において追跡調査の共同実施の内諾が得られたため、3年間の縦断調査により、睡眠障害とうつ病発症との関連について明らかにすることが本研究の目的である。平成23年度は、初年度としてベースライン調査を実施した。平成23年春の職場健康診断時に合わせて、抑うつ状態についてはCES-Dを、睡眠については国際的な不眠尺度であるアテネ不眠尺度を用いてアンケート調査を実施した。1890名に質問紙を配布し、同意の得られた1712名から回答を得た(回答率90.6%)。このデータをデータベースとして整備した。1712名の中から、精神疾患の治療中や既往のある者などを除外し、男性日勤者に限定したところ1412名が解析対象として残った。その平均年齢は44.3(13.3)歳であった。この1412名の概要を見ると、抑うつ得点の高い人(CES-D16点以上)は、201名(14.2%)に認められた。このCES-D16点以上群と16点未満群(1211名)とを比較すると、抑うつ得点の高い群では、不眠傾向があり、睡眠時間が短い、また睡眠で心身の疲労が取れない人が多く、抑うつ症状と睡眠障害との関連が強いことがうかがわれた。年齢的には若い人が多く、また独居者などが多い傾向が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年間の追跡調査として、初年度の質問紙調査を実施し、1712名(回答率91%)から同意と回答が得られ、ベースライン時のデータベースを作成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年、平成25年度と、今回と同様にアンケート調査を実施し、最終的に3回分のデータを連結して、データベースを作成する。そして、ベースライン時(今回)調査で抑うつが疑われる者は除外して、ベースライン時の睡眠状況別にその後のうつ症状発症を追跡して、睡眠障害と抑うつ症状発症との関連について検討する計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、1800名ほどの被験者に対してアンケート調査を実施する。そのため、アンケート用紙作成費用(CES-D使用料を含む)など調査実施に関わる費用、結果のデータ入力、データベース作成費用、および資料整理謝金、複写印刷費用などが、主な調査遂行費用となる。
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