2013 Fiscal Year Research-status Report
睡眠障害とうつ病、職業性ストレスに関する製造業従業員の3年間の縦断調査
Project/Area Number |
23590737
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
榊原 久孝 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80153873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西谷 直子 椙山女学園大学, 看護学部, 教授 (10587009)
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Keywords | 抑うつ / 睡眠障害 / コホート調査 |
Research Abstract |
職場におけるメンタルヘルス対策、特にうつ病対策が重要課題となっている。睡眠障害はうつ病と密接な関連があるが、ほとんどが横断調査のため、睡眠障害がうつ病発症の原因(危険因子)であるか、またはうつ病の随伴症状なのか、明確になっていない。今回従業員約2,000名の製造業の企業において追跡調査の共同実施の内諾が得られたため、3年間の縦断調査により、睡眠障害とうつ病発症との関連について明らかにすることが本研究の目的である。 平成23年度は、初年度としてベースライン調査を実施した。平成23年春の職場健康診断時に合わせて、抑うつ状態についてはCES-Dを、睡眠については国際的な不眠尺度であるアテネ不眠尺度を用いてアンケート調査を実施した。1890名に質問紙を配布し、同意の得られた1712名から回答を得た(回答率90.6%)。平成24年度は、2年目の追跡調査として、前初年度と同様の内容で実施した。職場検診時に質問紙を配布し、1788名から回答を得た(回収率およそ90%)。 平成25年度は、3年目の追跡調査を実施し、1850名から回答を得た(回収率およそ90%)。 3年間の調査結果は、IDにより統合したデータベースを作成した。3年間のデータベースを基に、初年度調査時に既に抑うつ症状を有する被験者を除外して、不眠状況と抑うつ発症の関連について、解析を進めているところである。また初年度の結果を横断調査データとして解析した内容や、2年間の追跡結果について、一部産業衛生学会などで報告した
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、3年間にわたり1700名~1800名の従業員から、睡眠障害と抑うつ状態について調査結果を得ることができ、匿名化されたIDにより3年間分の統合したデータベースを作成することが出来た。平成26年度に向けて、このデータベースを活用して解析を進める計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
この3年間にわたり1700名~1800名の従業員から、睡眠障害と抑うつ状態について調査結果を得ることができ、匿名化されたIDにより3年間分の統合したデータベースを作成することが出来た。平成26年度に向けて、このデータベースを活用して解析を進める計画である。 一つは、これまでも一部結果を報告しているが、初年度の結果を横断調査データとして、不眠と抑うつとの関係を解析した内容を論文としてまとめる計画である。 また、3年間の追跡結果については、初年度調査時に既に抑うつ症状を有する被験者を除外して、初年度の不眠状況別にその後の抑うつ症状の発症との関連について、解析を進めて結果をまとめる計画である。途中経過の一部は既に発表してきている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
追跡調査の実施費用が、対象企業の協力により計画より少なくて済んでいること、並びに、研究成果発表において産業衛生学会の開催地が地元の名古屋であったため旅費が計画より少なくなっていることが主な理由である。 次年度は最終年度となるため、データ解析費用に当てると共に、積極的に学会発表や論文作成をおこない、その費用にも当てる予定である。
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Research Products
(3 results)