2012 Fiscal Year Research-status Report
家族と同居する高齢者の孤立が心身に与える影響と支援方策の検討
Project/Area Number |
23590804
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
中野 匡子 福島県立医科大学, 医学部, 研究員 (50295408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安村 誠司 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50220158)
山崎 幸子 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (10550840)
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Keywords | 社会的孤立 / 地域高齢者 |
Research Abstract |
社会的孤立に関する地域高齢者の出現率の把握、関連要因の検討のため、東京都葛飾区内に在住の65~84歳を対象に、2011年12月に郵送調査を実施した。自治体の協力もあり、回収率60.0%であった。分析の結果、社会的孤立にある者は25.9%存在し、社会的孤立は精神的不良、知的能動性の低さ、同居家族以外からのサポートの低さとの関連が明らかとなった。 これらの対象者に対し、2012年12月に追跡調査として郵送調査を実施した。その結果、回収率76.5%であった。追跡調査における社会的孤立者は26.0%で、初回調査とほぼ同様の割合だった。高次の生活機能を測定する老研式活動能力指標、健康度自己評価、生活習慣、既往歴等は、初回調査時とほぼ同様、うつ傾向者は初回調査時24.2%で、追跡調査時は18.5%と減少がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた調査は、初年度および次年度の追跡調査においても高い回収率にて調査を終了できている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度においては、これまでの調査で明らかになった社会的孤立の高齢者およびその家族に対する質的調査を実施する。個人情報に関連するものであることから、年度初めに自治体への了承を速やかにとり、対象者への案内を送る。研究の進捗管理は分担研究者の1名が随時行い、滞りなく進める。また、看護師である研究協力者をすでに決定しており、調査には速やかに入ることができるよう準備を整えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度においては、社会的孤立の実態と同居家族の関わりを明らかにするために、社会的孤立状態にある高齢者とその家族に対して、ンタビュー調査を実施し、質的な基礎資料データを収集することを目的する。そのため、対象者は社会的孤立の高齢者およびその家族とする。半構造化面接による質的調査のため、調査員に対する謝礼金のほか、調査に協力いただいた対象者への謝礼金も発生する。また、研究協力者との調査打ち合わせ旅費や、学会発表における旅費、あわせて、結果の還元のためのパンフレット作成などにおいて研究費を活用する予定である。
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