2013 Fiscal Year Annual Research Report
家族と同居する高齢者の孤立が心身に与える影響と支援方策の検討
Project/Area Number |
23590804
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
中野 匡子 福島県立医科大学, 医学部, 研究員 (50295408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安村 誠司 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50220158)
山崎 幸子 文京学院大学, 人間学部, 准教授 (10550840)
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Keywords | 社会的孤立 / 地域在住高齢者 / 家族と同居 |
Research Abstract |
本研究は、地域在住の高齢者のうち、家族と同居する者の社会的孤立を検証し、支援方策の検討を実施した。要介護認定を受けていず、他者との交流の少ない者を社会的孤立(使用尺度:Lubben Social Network Scale-6にて総得点で12点未満の者)として、質問紙調査による横断調査の結果、家族と同居する高齢者における社会的孤立は24.1%存在していた。社会的孤立に関連した要因は、同居家族以外からのサポートの少なさ、精神的健康の低下、知的能動性の低さ、生活習慣の不良であった。追跡調査における社会的孤立の発生に影響する要因は、同居家族以外からのサポートの少なさであることが示された。質問紙調査の結果から、社会的孤立の予防にむけて、友人づくりなどにつながるような活動の支援が重要であることが示唆された。 最終年度の社会的孤立者とその同居家族へのインタビュー調査からは、社会的孤立者の虚弱な傾向、人との交流を望む者と望まない者が存在していることなどが得られた。さらに、高齢者支援に関わる者からの意見収集からは、社会的孤立に対して新たな支援内容として、訪問方式の支援や高齢者のかかりつけ医と市区町村の高齢者支援担当部署との連携などが提案され、従来の支援内容の充実に向けた工夫への課題等、社会的孤立に対する支援の基礎的資料を得ることができた。 今後、本研究で得られた基礎資料を生かしつつ、社会的孤立の実態のさらなる検証が必要であり、社会的孤立の予防、支援策の構築を図ることが望まれる。
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