2012 Fiscal Year Research-status Report
脂肪性肝疾患の進展促進因子に関する前向きコホート研究
Project/Area Number |
23590840
|
Research Institution | Radiation Effects Research Foundation |
Principal Investigator |
大石 和佳 公益財団法人放射線影響研究所, 広島臨床研究部, 部長代理 (20393423)
|
Keywords | 脂肪性肝疾患 / 生活習慣 / 肝線維化 / インスリン抵抗性 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
本研究の目的は、放射線影響研究所(放影研)が1958年から2年に1回の健診で長期追跡を行っている原爆被爆者の成人健康調査(AHS)コホートに依拠した前向きコホート研究を行い、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の進展に寄与する因子を放射線影響も含め明らかにすることである。 本研究において、NAFLDにおける肝線維化程度とインスリン抵抗性および酸化ストレスとの関連について、飲酒量、喫煙習慣、肥満度指数(BMI)などの生活習慣関連因子、被曝線量を考慮に入れて検討し、NAFLDの進展促進因子を同定することにより、NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)が原因の1つとされる非B非C型肝細胞がんの発症予防および高リスク群のサーベイランスに有用な指標を明らかにする。 本研究の対象者は、平成20年11月から平成24年12月末までに広島の放影研の成人健康調査(AHS)を受診され、各種臨床検査と質問票調査に同意が見込まれる原爆被爆者である。平成24年12月末までに約2900名の腹部超音波検査、肝弾性度測定検査、生活習慣関連因子に関する質問票調査、血液・生化学検査(線維化マーカーを含む)、肝炎ウイルス検査、インスリン抵抗性および酸化ストレスに関するバイオマーカーの測定はほぼ終了した。また、対象者の肝硬度測定値を確定するために、平成23年度の研究経費で購入した肝硬度解析ソフトを用いて、データベースに保存されている肝弾性度測定検査の画像ファイルのレビューを実施中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年12月末までに受診された原爆被爆者において、腹部超音波検査、肝弾性度測定検査、生活習慣関連因子に関する質問票調査、血液・生化学検査(線維化マーカーを含む)、肝炎ウイルス検査などの測定は終了し、インスリン抵抗性および酸化ストレスに関するバイオマーカーの測定についても平成25年3月末までにほぼ終了した。また、インスリン抵抗性に関するマーカー(PAI-1、レジスチン、レプチン、MCP-1)の試薬は従来ポリスチレンビーズを用いたものであったが、平成24年4月より磁気ビーズを用いた新試薬に変更になったため、新試薬における各種マーカーの再現性を評価し、新旧試薬の測定値の相関を調べた。 また、平成20年11月から平成22年12月末までに受診された若年被爆者(被爆時年齢が10歳未満)において、各種検査データと飲酒量、喫煙習慣、BMI、放射線量などの疫学情報との連結を行い、データセットを構築した。また、データの品質管理、統計的検出力を概観するために記述統計を行った。肝弾性度測定検査の画像ファイルのレビューも進行中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
全ての対象者について肝弾性度測定検査の画像ファイルのレビューを平成25年11月までに終了する。一部の調査対象者において、新試薬への変更などに伴い必要になったインスリン抵抗性に関するバイオマーカーの再検を行う。また、平成23年1月から平成24年12月末までに受診された被爆者(被爆時年齢が10歳以上)において、各種検査データと飲酒量、喫煙習慣、BMI、放射線量などの疫学情報との連結を行いデータの品質管理を行って、全ての対象者におけるデータセット構築を終了する。 NAFLDにおける肝線維化程度とインスリン抵抗性および酸化ストレスとの関連について、統計解析を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究成果を国内学会で発表する費用として使用する。また、一部の調査対象者でインスリン抵抗性に関するバイオマーカーの再検が必要であるため、試薬の費用として使用する。 H24年度の未使用額が5941円あるが、この額では試薬が購入できないので平成25年度の物品費とあわせて試薬費用とする。
|
-
[Journal Article] Serum PAI-1 is a novel predictor for response to pegylated interferon-α-2b plus ribavirin therapy in chronic hepatitis C virus infection2012
Author(s)
Daiki Miki, Waka Ohishi, Hidenori Ochi, C. Nelson Hayes, Hiromi Abe, Masataka Tsuge, Michio Imamura, Naoyuki Kamatani, Yuusuke Nakamura,, Kazuaki Chayama
-
Journal Title
J Viral Hepat
Volume: 19
Pages: e126~133
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-